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エゴマ/えごま/荏胡麻

Wild sesame 

えごま,効用
外見はシソにそっくりだが、株全体にやや不快な匂いがある
エゴマオイル
エゴマの葉には長めの柄があり、茎から対になって生じる
えごま,植物
エゴマの花
果実,種子
エゴマの実
Wild sesame,seeds
種子は直径2~5ミリほど
胡麻と荏胡麻,違い
エゴマ(左)とゴマ(右)
Wild sesame
エゴマの茎
Wild sesame
茎の断面は四角形になっている
えごまの種子
晩秋の様子(種子が落ちた後)
エゴマ,植物
冬季の様子

【エゴマとは】

・中国中南部、インド及び東南アジアを原産とするシソ科の一年草。日本には朝鮮半島を経て渡来し、弥生時代の遺跡から種子が発掘されるほど古くから栽培され、野生化したものが山野に見られる。

 

・エゴマの栽培が広まったのは、種子を絞って作る「荏油(えあぶら)」を灯火の燃料にしたためで、8世紀初めの法典である「律令」にも荏油として記録される。灯火とは現代でいう照明で、荏油が普及するまではゴマの油を使っていたが、ゴマよりも扱いやすいため、関東地方を中心として普及した。

 

・近代化とともに荏油は菜種や綿実油に役目を奪われ、エゴマの栽培は下火になったが、近年では美容やダイエットに効果のある健康食品として、エゴマオイルが注目されるようになった。

 

・葉は長さ7~12センチの卵形で先端が尖り、縁にはギザギザがある。表面は緑色で、裏面は紫を帯びることがある。茎は直立し、高さ90センチほどまで育ち、上部で分岐する。茎の断面は方形で、表面には白い立毛がある。

 

・葉はシソに似るがその香りはなく、茎はより太い。葉にはポリフェノールのロスマリン酸や殺菌性のペリラケトンを含み、不快な匂いがあるものの薬用となり、秋に採取した葉の汁を、いんきんやタムシに使う民間療法があった。生薬名は「荏(え)」。

 

・エゴマの開花は8~9月。茎の先端や葉の脇から伸びた花穂に白い小花が密生する。花は唇形で上唇部分は浅く三つに裂け、下唇は深く二つに裂ける。雄しべは4本だが、うち2本が短く、花冠には柔らかな長毛がある。

 

・エゴマの種子は直径2~5ミリほどでゴマよりも大きく、9~10月に熟す。灯火以外にも和紙で作った雨具の撥水などに用いられ、また、炒め油、佃煮、天婦羅にして食用することもできる。別名の「ジュウネン」は「十年」であり、エゴマを食すと寿命が10年伸びるという。種子には40%ほどの油分を含む。

 

【エゴマに似ている植物】

シソ

ゴマ

エゴマの基本データ

 

【分 類】シソ科/エゴマ属

     一年草

【漢 字】荏胡麻(えごま)

【別 名】アブラシソ/アブラエ

     ジュウネン

【学 名】Perilla frutescens

【英 名】Wild sesame 

【開花期】8~9月

【花の色】

【草 丈】~90cm

 

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