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タケ(竹)とササ(笹)の種類

竹や笹の種類を紹介します。両者の見分けは難しいですが成長に伴って棹の皮が剥がれ落ちるのが「タケ」で、落ちないのが「ササ」です。「~ザサ」という竹があったり、「~チク」という笹があったりで名前が混乱しており、実際の違いは分かりにくいです。

モウソウチク(孟宗竹) 

日本最大の竹で、食用にするタケノコの多くはコレ。原産地は中国江南地方で、江戸中期に島津藩主が琉球を経由して現鹿児島市にあった藩邸に植栽したのが始まりとされる。

タケの種類 ササの種類
モウソウチク

マダケ(真竹)  

古くから日本にある竹で、6月に出るタケノコは、多少の苦味があるものの食用できる。竹垣など、造園工事に欠かせない材料だが、やや耐寒性が低く、北海道では育たない。

真竹と孟宗竹 違い
マダケ

キンメイチク(金明竹)  

マダケが変異してできるもので、黄褐色の棹に緑色の模様が入る。外観の美しさから日本庭園や鉢物に使われる。

笹と竹の種類 違い
キンメイチク

オウゴンチク

同じくマダケの変種で、棹の一部に緑色のラインが入る以外は全てが黄褐色になるもの。葉はキンメイチクと同じ。

オウゴンチク
オウゴンチク

ハチク(淡竹)

上記二種に並ぶ大型の竹。観賞用に植えられることは少ないが、繊維が細かく加工しやすく、タケノコもおいしい。

ハチク
ハチク

キッコウチク(亀甲竹) 

モウソウチクの突然変異によって生じたもの。棹の基部が交互に膨れているのが特徴。縁起物としてあやかり、工芸品に仕立てられる。

竹の品種,画像
キッコウチク

ホテイチク(布袋竹) 

マダケに似るが棹の元のほうが、画像のように膨らみ、節間も不揃いになっている。

外見とは裏腹にタケノコは甘味と歯ごたえがあっておいしい。

 

布袋竹 図鑑
ホテイチク

ナリヒラダケ(業平竹) 

日に照らされると紅紫色に見える棹の美しさから、もっとも多く庭園に使われる竹の一つ。 

放任すれば写真のように密集して生えるのが大きな特徴で、通常は古い棹を間引くように管理する。

業平竹 画像 タケ図鑑
ナリヒラダケ

クロチク(黒竹) 

アジアンな雰囲気が好まれ、古くは袖垣、現代では家具や調度に使われる。破竹の変種だがやや小型で、寒さにより強い。一年目の棹は緑色で、二年目の秋から黒っぽく変化することに注意して管理する必要がある。

タケとササの種類 区別
クロチク

トウチク(唐竹)

中形のタケで節と節の間隔が著しく広く、棹が紫を帯びた色になる。文字どおり中国産だが、関西地方を中心に栽培され、暖地で帰化している。

品種
トウチク

シホウチク 

棹の断面が丸みを帯びた四角になるタケ。タケノコの旬は秋で、食用としても栽培される。冬でも葉が青々としているため、観賞用にも向く。

竹の一覧
シホウチク

ヤダケ(矢竹) 

タケとはいっても笹の仲間で、節間が長く、太さが一定であることや曲がりに対する強度が高いため「矢」に使われた。地方によっては、本種やメダケなどを合わせて「篠竹」と呼ぶ。

シノチク,シノダケ,ヤダケ
ヤダケ

ラッキョウヤダケ(辣韭矢竹)

ヤダケの変種で、節の下部がラッキョウのように膨らむことから名付けられた。ササの一種だが棹は釣竿や箸置きに使われる。

変わった竹
ラッキョウヤダケ

メダケ(女竹)

これもタケと名乗るがタケではなく、ササの仲間。細くて優し気な姿を女性に喩えた。ヤダケと共にシノと呼ばれ、支柱や軽作業に使われる。

シノ竹の種類
メダケ

タイミンチク(大明竹)

沖縄などを原産とするメダケの仲間。株立ち状に密生し、いかにも南国風の景色を作る。観賞用として栽培される。

バンブー
タイミンチク

リュウキュウチク(琉球竹)

同じく沖縄に見られる種で、「チク」だがササの仲間。同地で最も普通に見られるササだが、日本のものでは最も葉が細長い。

笹の仲間
リュウキュウチク

スホウチク(蘇芳竹)

亜熱帯産のバンブーで、棹がレモン色と緑のストライプ模様になる。根が広がりにくいため庭園向けのタケとされる。

スホウチク
スホウチク

ホウオウチク(鳳凰竹)

中国南部を原産とするタケで、密生する小さな葉を鳳凰の羽根に見立てて命名。庭園の生垣に最適なタケの一つ。

鳳凰竹
ホウオウチク

ホウライチク(蓬莱竹)

似たような名前でややこしいが、ホウオウチクの原種。中国南部を原産とするバンブーだが、九州では野生化している。

竹の種類
ホウライチク

カンチク(寒竹)  

秋にタケノコができる品種。ササの仲間だが小さな竹として扱われることが多い。艶のある棹はクロチク同様、建材や装飾に使う。

タケ図鑑
カンチク

インヨウチク(陰陽竹)  

島根県にあるに比婆山久米神社の山頂に自生するマダケとササの中間種。細い稈(幹)に大型の葉が多数ぶら下がるようになるのが特徴。大きな庭の根締め(大木の下に植栽する下草)や垣根などに使われる。

笹と竹 見分け
インヨウチク

クマザサ(隈笹)  

オカメザサと共に日本庭園に多いササ。葉の縁取りが美しく人気が高い。漢字表記は「熊」ではなく「隈」で、葉のスミが白いことにちなむ。日向より日陰に植えた方が美しい葉になる。

熊笹 隅笹
クマザサ

ミヤコザサ(都笹)

クマザサと同じように葉の縁が白くなるササ。クマザサよりも小型で、葉が柔らかいため動物が好んで食べる。

ミヤコザサ
ミヤコザサ

オカメザサ(阿亀笹) 

和風庭園の下草として広く使われるため笹に見えるが、竹の一種。名前は「おたふく」のオメンを、この棹にぶら下げて売ったことに由来する。

ササの葉の一覧
オカメザサ

チゴザサ(稚児笹) 

葉に白い模様が縦に入るササで庭園や正月飾りに使われる。ササの中では成長が遅い部類に属し、背丈も大きくなりにくい。 

なお、模様の状態は環境や季節によって変化する。

ササの種類
チゴザサ

オロシマチク(於呂島竹) 

かつて於呂島(九州)に自生が見られたことから命名された日本最小のササ。葉が小さいため、相当低く刈り込んでも鑑賞に堪えるササとして人気が高い。

笹の種類
オロシマチク

スエコザサ(寿衛子笹)

アズマザサの変種で、宮城県と岩手県南部に自生する。牧野富太郎博士が仙台で発見し、亡き夫人の名にちなんで名付けたことで知られる。

ササの品種
スエコザサ

 

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