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アカネ/あかね/茜

Madder

あかね,植物図鑑
4枚の葉が輪生するため見分けやすい
アカネ,若い蔓
新芽の様子
トゲがあるツル,茜
葉は細長いハート形
トゲがあるツル性の草
蔓(茎)には逆向きの細かな棘がある
Madder grass in Japan
成葉の様子
茜,植物
葉柄にもトゲトゲが
あかね,種子
アカネの果実
あかね,瓢箪型の小さな実
熟すと黒くなる

【アカネとは】

・本州、四国及び九州に分布するアカネ科の多年草。山野のみならず身近な土手や道端、人家の垣根などで普通に見られる。乾燥した根が綺麗な赤紫になるため「あかね」と名付けられ、茜染めの染料として古くから使われる。日本に育つアカネは在来種だが、アジア東部の暖帯~温帯に広く分布する。

 

・アカネの開花は夏~秋。茎の先端や葉の脇から伸びた花序に、小さな花が円錐状に並ぶ。花先は五つに裂けて淡い黄緑色。果実は球形で水分を含み、秋に黒く熟す。画像のように二つの果実が合体してヒョウタン型になることが多い。

 

・葉は三角に近いハート形で先端が尖り、節から4枚一組で出ているように見えるが、本来の葉は2枚だけ。残り2枚は葉の付け根に出た托葉が発達したもので、新芽や蔓は本来の葉の脇から生じる。こうした葉の出方(偽輪生)はやや珍しいが、ヤエムグラにも同じような特徴が見られる。

 

・茎は半蔓性で下向きの細かなトゲがあり、これを他物に絡めながら育つ。ツルの断面は四角形で中は空洞。軽くて扱いやすそうだが、葉の裏面や葉脈にもトゲがあり、素手で触れるとザラザラし、衣類に引っ掛かる。

 

・掘り出したアカネの根は黄褐色だが、これを乾燥させて突き砕き、灰汁を使って布を染めると茜色になる。茜色の正体は根に含まれる色素プルプリン。

 

・アカネの根を乾燥させたものは、生薬名を「茜草(せんそう)」あるいは「茜草根(せんそうこん)」といい、止血(鼻血、喀血)や通経、うがい薬に用いる。また、ホワイトリカーに漬け込んで薬用酒とする民間の健康法もある。

 

【アカネに似た草花】

・ヤエムグラ

アイ

ムラサキ

アカネの基本データ

 

【分 類】アカネ科/アカネデ属

     多年草

【漢 字】茜(あかね)

【別 名】アカネカズラ/ベニカズラ

【学 名】Rubia argyi 

【英 名】Madder

【開花期】8~10月

【花の色】黄緑色

【草 丈】~300cm

 

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