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オニバス/おにばす/鬼蓮

Prickly water lily

大きな蓮の葉
水面を覆い尽くすオニバスの様子
新芽,新葉
5月頃の葉は小さく、スイレンやヒツジグサに似る
おにばす,植物
6月頃には表面にトゲ状のものが現れる
Prickly water lily
7月下旬の様子 かなりオニバスらしさが出てくる
棘のあるハス
葉の表面にあるトゲが名前の由来
鬼蓮,蛙
若い葉のトゲは柔らかいのか、カエルに確認したい
Prickly water lily
葉の裏面は血管のように葉脈が
おにばす,植物
成葉の表面はシワシワになる(8月)
オニバス,特徴
葉脈は隆起が激しくなる
オニバスの花
7~9月には綺麗な花が咲く
Prickly water lily,flower
花は直径4センチほどで、全開しない
オニバスの果実
花の横にあるのが実(閉鎖花)
鬼ばす
茎(葉柄)にも棘がある
鬼蓮の種子
種子はデンプン質に包まれ、浮遊する

【オニバスとは】

・宮城県以南の本州、四国及び九州に自生するスイレン科の一年生浮葉植物。ハスと名乗るが葉は水面に浮かび、スイレンに近い。オニバス属を構成する一属一種の植物であり、繁殖や葉の様子は原初的だが、日本以外でもアジアの東北部~インドに分布する。

 

・「葉が大きいためオニバス」と思われがちだが、名前の由来は株全体に生じる鋭いトゲにあり、特に葉の表面のトゲはオニバスの名にふさわしい。清少納言は枕草子でオニバス(水ふぶき)を「恐ろしげなるもの」としている。

 

・葉の形は目覚ましく変化し、春先、最初に浮かぶ葉は基部に切れ込みのある長楕円形で、オニバスらしさは乏しい。十数枚目の葉から楯状の円形になり、季節が進むと直径30~150センチほどに巨大化する。生育環境にもよるが、葉の直径は200センチを超えることもある。

 

・葉の表面にはスイレンやハスには見られないシワがある。裏面は赤紫を帯び、隆起した葉脈はハチの巣のようになる。見た目はよろしくないが葉柄は食用となり、別名をミズブキ(水苳)という。

 

・オニバスの開花は7~9月。花には開放花と閉鎖花があり、前者は水面より上で咲くため人目に触れる。直径4センチほどだが綺麗な青紫色で、控えめに半開する姿は美しい。ただし、花茎にもトゲがある。

 

・青紫の花とは別に水中にはタマネギのような閉鎖花が咲き、自家受粉した後に楕円形の果実となる。閉鎖花の開花期は開放花(青紫の花)より前後1か月ほど長い。種子はデンプン質が多くて食用になり、漢方では「芡実(けつじつ)」として滋養強壮に用いる。

 

・オニバスの自生地は低地にある浅い湖沼、ため池、河川、水路など。やや富栄養化した水質を好むが、近代では水質の汚濁や開発行為によって個体数が激減し、環境省では絶滅危惧Ⅱ類に指定している。東京の水元公園には「水元のオニバス」と呼ばれる自生地が残っており、昭和59年に都の天然記念物に指定されている。 

 

【オニバスに似ている草花】

ハス

スイレン

コウホネ

ヒツジグサ

オニバスの基本データ

 

【分 類】スイレン科/オニバス属

     一年生浮葉植物

【漢 字】鬼蓮(おにばす)

【別 名】ミズブキ

【学 名】Euryale ferox salisb. 

【英 名】Prickly water lily

【開花期】7~9月

【花の色】青紫

【草 丈】