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アヤメ/あやめ/菖蒲

Japanese Iris

アヤメの違い,見分け,あやめ
花弁にある、あやめ模様が名前の由来
菖蒲,種類,見分け,あやめ
アヤメの葉は幅が狭くて自立しにくい
Japanese Iris
若い茎葉の様子
文目,綾目,植物,あやめ
アヤメのツボミ
アヤメの開花期,あやめ
アヤメは乾燥した陸地に群生する
Japanese Iris
アヤメの花
あやめの花の模様,アヤメ
花弁にある模様は虫の道しるべ
Japanese Iris
花を下から見た様子
綾目,シロバナ,白花
白い花が咲くアヤメもある
アヤメの種,菖蒲
アヤメの果実(未熟)
タネ,たね
アヤメの種子
あやめ,植物
葉は晩秋以降に枯れるが、地中には暗褐色の硬い根茎が残る
果実,種子
晩秋の様子
あやめ,植物,特徴
厳冬期でも果実の殻が残ることも

【アヤメとは】

・日本各地の山野に自生するアヤメ科の多年草。この仲間は水辺に群生する印象があるが、日当たりのよい場所であれば、かなり乾いた草地でも育つ。初夏に咲く花には黄色と紫の綾目(文目)模様があり、これが名前の由来になっている。かつては本種をショウブと呼んだことから漢字表記は菖蒲などで、別名はハナアヤメ。

 

・アヤメの開花は5~6月で、ハナショウブやカキツバタよりも早い。花色は濃い青紫で稀に白。園芸品種には絞りや筋の模様が入る。花は茎の先端から伸びた花茎の頂部に咲き、直径は7~8センチほど。2~3輪がまとまって咲く。

 

・花はいわゆる一日花で、朝に開いて夕に閉じる。花には6枚の花弁(内外各3枚)があるが、外側の大きな花弁(外花被片)は下垂し、その付け根は太く、内側の細くて小さな花弁(内花被片)は直立し、その先端はやや丸みを帯びる。

 

・茎は地中で「根茎」になり、横に這って多数分岐し、葉は地際から多数生じて直立する。アヤメの新芽は赤く、他のアヤメ科の植物は新芽が緑色になる。成葉は粉を吹いたような緑白色あるいは鮮やかな緑色で、

 

・葉は線状で、長さ30~50センチ、幅1センチ以下。ハナショウブやカキツバタに比べると細くて弱々しい印象がある。葉の中央を走る太い葉脈(中肋)はあまり目立たず、その基部は赤紫色を帯びることが多い。

 

【アヤメに似ている植物】

 アヤメの仲間は数多いが、野生のもの(帰化植物を含む)で形態や開花時期が似るのは以下のとおりである。「いずれあやめか、かきつばた」の言葉どおり、それぞれを見分けるのは難しい。また、サトイモ科の植物にアヤメグサがあるが、本種とは関係ない。

 

ノハナショウブ、ハナショウブ

 ノハナショウブは湿った草原に生じ、6~7月に開花する。外弁の基部に黄色い筋模様が入るのが特徴。ハナショウブはこの園芸品種で、花は紅色の強いものが多い。いずれも葉の中央に太い隆起が線状に走り、他と見分けやすい。  

アヤメの仲間,違い
ノハナショウブの花

 

カキツバタ

 湿地に群生する多年草で、葉が高さ1mにもなる。5~6月に咲く花の外花被片は幅4~5センチで、アヤメの仲間では花が最も大きく見える。

かきつばた,植物
カキツバタの花

 

ヒオウギアヤメ

 アヤメよりも海抜の高い湿原に生え、茎が枝状になる。アヤメと同じように外弁の一部が白くなるが、アヤメでは中央に立つ内弁がヒオウギアヤメでは目立たない。また、葉の幅はアヤメよりも広い2~3センチになる。

菖蒲の種類
ヒオウギアヤメの花

 

イチハツ

 中国原産で、紫の花を咲かせる。開花は早い。

いちはつ,植物
イチハツの花

 

シャガ  

 人家近くの山林に群生する常緑の多年草で、古い時代に中国から渡来したものが野生化した。花数が多く、外花被片の縁は細かく裂け、白地に紫と黄色の模様が入る。日本海側にはより小さな花を咲かせるヒメシャガがある。

しゃが,植物
シャガの花

 

キショウブ

 黄色い花を咲かせる外来種だが葉の形状や性質はアヤメに似る。

綾目に似た植物
キショウブ

アヤメの基本データ

 

【分 類】アヤメ科/アヤメ属

     多年草

【漢 字】菖蒲/文目/綾目

【別 名】ハナアヤメ

【学 名】Iris sanguinea   

【英 名】Japanese Iris

【開花期】5~6月

【花の色】青紫、白

【草 丈】~70cm

 

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