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アイ/あい/藍
【アイとは】
・アジアの温帯地域(中国南部あるいはインドシナ半島南部が想定されている)を原産とするタデ科の一年草。葉から染料の藍を採取することを目的に2000年以上も前から栽培される。
・日本には仏教が伝来した6世紀半ば、遣唐使によって中国より渡来し、藍染めの原料として今なお栽培される。
・藍色の色素(インディゴ)を含む植物はウォード、インド藍、タイセイなど世界中に100種類以上あるため、本種をタデアイ(蓼藍)と呼んで区別することもある。
・日本におけるアイの商業生産は徳島県が圧倒的であり、北海道や青森県がそれに次ぐが、染料としての需要は減っており食用に転じる例もある。
・アイの葉は細長い卵形で紅紫色の茎から互い違いに生じ、草丈は70~80センチほどになる。染料となるのは葉で、緑の葉を傷付けたり、乾燥させたりするとすぐさま藍色になる。上の葉ほど藍色の色素が多く、また、開花が近付くほど藍色の含量が増える。
・開花は8~9月頃で、たくさんの小花が穂状に集まって咲く。現在日本で栽培されるのは「小上粉」や「小千本」という品種だが、赤い花が咲く品種と白い花が咲く品種があり、開花時期は微妙に異なる。花の後にできる果実は3ミリほどの三角形。
・漢方ではアイの実を「藍実(ちんじつ)」といい、あらゆる毒を消すとされる。日本でも各地にアイの実や葉を用いた民間療法があり、解毒以外にも解熱、扁桃腺炎、中毒症状の緩和に効果があるとされた。農作業にアイで染めた紺色の作業着、足袋、手甲などを使うのは蛇などの毒除けを期待してのこと。
・アイは温暖かつ湿気のある場所を好むため、ある程度の降雨量が見込まれる場所に植栽するのが望ましい。
【アイの開花季節】
・8月~9月
【アイの花の色】
・紅色、白
【草丈】
・~80cm
【アイに似た草花】
・ヤマアイ