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キツネノボタン/きつねのぼたん/狐の牡丹

Kitsuneno-botan

きつねのぼたん,植物
花言葉は「だまし討ち」「ひとりぼっち」など
キツネのボタン,葉っぱ
キツネノボタンの葉
きつねのぼたん,特徴
茎は下部に少しだけ毛がある
狐の牡丹,草花
キツネノボタンの花
金平糖のような実
果実の突起はカギ状に曲がる

【キツネノボタンとは】

・日本全国に分布するキンポウゲ科の二年草。湿気のある道端や田畑の畔などで普通に見られるキンポウゲ(ウマノアシガタ)の仲間で、春~夏に小さな黄色い花を咲かせる。

 

・キツネノボタンという童話のような名前の由来については、キツネがいそうな野原に生え、葉の形がボタンに似るためという説、葉がボタンに似るがボタンではないためキツネが化けたとする説がある。

 

・開花は4~7月で、分岐した茎の先端に直径1センチほどの花を多数咲かせる。花弁は5~6枚で、裏側にある萼片は花期になると下方へ反り返る。近縁のケキツネノボタンに似るが、花弁の幅がより狭く、隙間があるように見えること、雌しべ(花柱)が長く、その先端が強く曲がっていることで見分けられる。

 

・キンポウゲの仲間は花に光沢があるのを特徴とするが、本種の花弁の光沢はウマノアシガタに比べると弱い。花の後にできる金平糖のような果実は小さな果実の集合体。一粒一粒は先端がトゲのように尖り、内側に曲がっている。

 

・葉は小葉3枚が一組になって生じるが、小葉のそれぞれに短い柄があって独立している。小葉は葉の両面に伏した毛があり、浅く三つに裂けるが、切れ込みはケキツネノボタンより浅い。茎は円柱状の中空で表面に毛が少なく、高さ30~69センチほどに育つ。

 

・キツネノボタンには毒性があり、茎葉をちぎった際に生じる液に触れると赤くはれて水疱ができ、肌が弱い場合は全身に炎症が広がる。また、若葉をセリと間違えるという事故があるが、誤って食べると腹痛や下痢を引き起こす。有毒成分はプロトアネモニン。民間療法では五十肩やリウマチに使った。

 

【キツネノボタンに似た植物】

・ケキツネノボタン

 似たような場所に生えるが、茎や葉柄に毛があり、果実の先端が曲がらない。

 

・タガラシ

 水田近くに見られる近縁種。花はキツネノボタンと同様だが、果実は楕円形でトゲ状の突起がない。

 

ミツバセリ

 若葉が似ているとされるが、よく見えると葉の構造が異なる。

キツネノボタンの基本データ

 

【分 類】キンポウゲ科/キンポウゲ属

【漢 字】狐の牡丹(きつねのぼたん)

【別 名】コンペイトウグサ

     キツネノコンペイトウ

     アメフリバナ/ウマコロシ

     ウサギゴロシ/ウマゼリ

【学 名】Ranunculus silerifolius

     H.Lév. var. glaber

     (H.Boissieu) Tamura

【英 名】

【開花期】~7

【花の色】黄色

【草 丈】~60cm

 

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