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キイジョウロウホトトギス

きいじょうろうほととぎす

Kiijyourou-hototogisu

きいじょうろうほととぎす
紀伊半島の山間にのみ自生する絶滅危惧種
キイジョウロウホトトギス
葉の基部は耳状になり茎を抱く
きいじょうろうほととぎす
夏の終わりに蕾が目立つようになる
紀伊上臈杜鵑,野草
庭園ではこうした水辺や崖地に使われる
黄色い杜鵑
蕾や花の基部には3つの「矩」がある
キイジョウロウホトトギス
花被片は5枚で半開する
キイジョウロウホトトギスの花
これで満開
きいじょうろうほととぎす
雌しべの頂部にはツブツブがある
実,種子
未熟な果実
種子,果実
熟せば褐色に
冬季
晩秋以降は茶変し、地上部は消える

【キイジョウロウホトトギスとは】

・紀伊半島(和歌山県及び奈良県)に分布するユリ科の多年草。山間の谷筋など湿った場所を好み、岩場などに根を張って育つが開発や環境の変化によって個体数は減っており、絶滅が危惧される。

 

・弓なりに伸びる枝に艶やかな葉を生じ、秋には他に類を見ないような明るい黄色の花を咲かせるため山野草として人気が高く、自生地以外の庭園や公園で稀に植栽される。

 

・漢字表記は「紀伊上臈杜鵑」。「上臈(じょうろう)」とは宮中に使える貴婦人を意味する言葉で、高貴な花の様子に由来する。また、学名にあるTricyrtisは花の後ろにある突起(矩)が3つあることにちなむ。 

 

・キイジョウロウホトトギスの開花は9~10月。枝先や葉の脇から伸びる短い花柄に、釣鐘型をした長さ4~6センチほどの花が1~2輪ずつ下向きに半開するが開花期間は数日間。5枚ある花被片の内側には紫がかった褐色の斑点があり、雄しべは5本。また、3本ある雌しべの先端はそれぞれ二つに裂け、画像のような泡状の突起物を付ける。果実は先の細った長楕円形で熟すと褐色になる。

 

・枝は弓状に伸び、基部から出る多数の根で岩場に張り付く。葉は細長い楕円形で茎から互い違いに生じ、先端は尾状。基部は耳たぶ状で茎を抱く。葉は四国の太平洋側に見られるジョウロウホトトギスに似るが、より細くて光沢がある。

 

【キイジョウロウホトトギスに似ている草花】

・ジョウロウホトトギス

じょうろうほととぎす
ジョウロウホトトギス

 

キレンゲショウマ

 分類上の関連はないが同じように鮮やかな黄色い花を咲かせる。

キイジョウロウホトトギスの基本データ

 

【分 類】ユリ科/ホトトギス属

     多年草

【漢 字】紀伊上臈杜鵑

     (きいじょうろうほととぎす)

【別 名】

【学 名】Tricyrtis macranthopsis

【英 名】

【開花期】~10

【花の色】黄色

【草 丈】~100cm

 

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