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イヌタデ/いぬたで/犬蓼
Tufted knotweed
【イヌタデとは】
・日本全国の低地に分布するタデ科の一年草。日当たりの良い道端や田畑の畔、草原等で普通に見られ、アカマンマという別名もよく知られるが食用にならず、役に立たないタデという意味でイヌタデと名付けられた。日本以外では中国やマレーシアに自生する。
・開花期間は6~11月と長く、その間、ポツポツと咲き続けるが、他の花が少ない秋にはよく目立つ。花は長さ2ミリほどの小さな円柱形で、枝先にできる長さ1~5センチの花穂に密生する。色は薄紅で花弁はなく、深く4~5つに裂けた萼だけがある。
・アカマンマという別名は、花や実をママごとの御飯に使ったことによる。毒性はなく「蓼食う虫も好き好き」のとおり食べられなくもないが、旨味はなく、ヤナギタデのような辛味もない。
・花の後には卵形をした直径2ミリほどの果実ができ、秋になると艶やかな黒褐色に熟す。種子にはトゲ状のものが3本あり、三角形に近い。
・葉は長さ4~8センチ、幅1~2センチの細長い楕円形で、托葉と呼ばれる基部の縁と裏面の葉脈上に細かな毛が生じる。茎の下部は地面を這い、枝分かれした後に直立するが、茎の途中からも枝を出し、こんもりとした形状になる。
【開花季節】
・6~11月
【花の色】
・薄紅
【背丈】
・20~50cm
【イヌタデの品種】
・シロバナイヌタデ
文字どおり白い花が咲く品種
【イヌタデに似ている草花】
北半球の温帯に広く分布する一年草で、草丈が50~120センチになる。茎は太く、赤みを帯びている。
・ヤナギタデ(ホンタデ/マタデ)
刺身のツマに使われるタデ