庭木図鑑 植木ペディア > 山野草 > イタドリ
イタドリ/いたどり/虎杖



【イタドリとは】
・本州から奄美大島までの広い範囲に分布するタデ科の多年草。主に日当たりの良い土手に群生する。薬用、食用として広く親しまれ、スカンポ、サジッポなど方言名も多い。
・イタドリという名前は、若葉をもんで患部に当てると傷の痛みが治まる(=痛取り)という民間療法に由来する(諸説あり)。
・雌雄異株で夏には画像のような花を咲かせる。花びらのように見える白い部分は花びらではなく「萼(がく)」。花の後にできる実の大きさは1センチ前後。
・葉は卵形っぽい楕円形で先端が尖り、くっきりとした葉脈があるのが特徴。戦時中は煙草の代用にこれを用いた。若葉は柄を取り除いて天婦羅に、生の葉汁は虫刺され薬に使うことができる。
・若い茎は甘酢漬け、塩漬け、酢味噌和え、ゴマ和えなどにして食用とする。蓚酸を含むので多食はしない方がよい。
・茎は竹のようだが根も竹のように硬く地下を這う。春先に出るタケノコのような新芽はやや酸っぱいが、皮を剥いで塩をつければ食べられる。根も薬用になり漢方では虎杖根と呼ぶ。蕁麻疹、便秘に効果があるとされる。
【開花季節】
・7月~10月
【花の色】
・クリーム色
【背丈】
・~150cm
【イタドリの種類】
・オオイタドリ
日本海側の山野に多い品種で名前のとおり草丈が大きく、2~3mになる。イタドリに比べると葉の表面はツヤツヤし、茎及び葉脈沿いに短毛があるため裏面が白く見えるのが特徴、
・メイゲツソウ
高地に自生し、紅色の花を咲かせる。
・ハチジョウイタドリ
伊豆諸島に分布する品種で、イタドリよりも葉が厚く、背丈が低い点が異なる。