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イタドリ/いたどり/虎杖
Japanese knotweed

【イタドリとは】
・本州から奄美大島までの広い範囲に分布するタデ科の多年草。主に日当たりの良い土手に群生するが、身近なヤブや空き地にも普通に育つ。薬用、食用として広く親しまれ、スカンポ、ゴンパチ、サジッポなど方言名も多い。
・イタドリという名前は、若葉をもんで患部に当てると傷の痛みが治まる(=痛取り)という民間療法に由来する(諸説あり)。
・雌雄異株で夏には画像のような花を咲かせる。花びらのように見える白い部分は花びらではなく「萼(がく)」。花の後にできる実は、オオモクゲンジを小さくしたような袋状で、大きさは1センチ前後。
・葉は卵形っぽい楕円形で先端が尖る。くっきりとした葉脈があり、葉の下端が一直線になること、茎や葉柄が赤みを帯びるのが特徴。戦時中は煙草の代用にこれを用いた。若葉は柄を取り除いて天婦羅に、生の葉汁は虫刺され薬に使うことができる。
・イタドリにはイタドリハムシやドロハマキチョッキリという甲虫が集まる。前者の成虫はテントウムシのようなデザインで、幼虫、成虫共にイタドリの葉を食べて育ち、後者の幼虫はイタドリの葉を複数枚綴った袋状の巣(揺籃)で育つ。
・若い茎は甘酢漬け、塩漬け、酢味噌和え、ゴマ和えなどにして食用とする。蓚酸を含むので多食はしない方がよい。
・茎は竹のようだが根も竹のように硬く地下を這う。春先に出るタケノコのような新芽はやや酸っぱいが、皮を剥いで塩をつければ食べられる。根も薬用になり漢方では虎杖根と呼ぶ。蕁麻疹、便秘に効果があるとされる。
【イタドリの種類】
・オオイタドリ
日本海側の山野に多い品種で名前のとおり草丈が大きく、2~3mになる。イタドリに比べると葉の表面はツヤツヤし、茎及び葉脈沿いに短毛があるため裏面が白く見えるのが特徴。
・メイゲツソウ
高地に自生し、紅色の花を咲かせる。
・ハチジョウイタドリ
伊豆諸島に分布する品種で、イタドリよりも葉が厚く、背丈が低い点が異なる。
イタドリの基本データ
【分 類】タデ科/イタドリ属
多年草
【漢 字】虎杖(いたどり)
【別 名】スカンポ(酢模)
ゴンパチ/サジッポ
【学 名】Fallopia japonica
【英 名】Japanese knotweed
【開花期】7~10月
【花の色】クリーム色
【草 丈】~150cm