庭木図鑑 植木ペディア > 山野草 > イタドリ

イタドリ/いたどり/虎杖

Japanese knotweed

いたどり,itadori
イタドリは草全体を食用、薬用にする
いたどり,植物,イタドリ
芽出しの様子
虎杖,植物
イタドリは木のようだが草
虎杖,草木,いたどり
新葉は赤みを帯びる
いたどり,植物
4月頃の様子
イタドリ 茎 画像
茎は中が空っぽで斑点模様がある
ツボミ,つぼみ
葉と蕾の様子
虎杖の葉っぱ
葉の裏面の様子
いたどり,特徴
イタドリの開花は7~10月
板取,いたどり
イタドリの花
イタドリの花,画像
雄花には8本の雄しべがあるがアリより小さい
果実,種子,いたどり
花の後には同系色の実ができる
スカンポの実
実は小さな袋状
いたどり,種子
実は熟すにつれて褐色になる
スカンポ,植物,紅葉
紅葉の様子
itadori
茎は竹のようになり、表面は硬い
いたどり,茎の内部
茎の中の様子

 

【イタドリとは】

・本州から奄美大島までの広い範囲に分布するタデ科の多年草。主に日当たりの良い土手に群生するが、火山が噴火した跡地など真っ先に見られる植物であり力強い性質を持つ。

 

 

・身近なヤブや道端、空き地などにも普通に育ち、薬用、食用として広く親しまれてきた。このためスカンポ、ゴンパチ、サジッポなど方言名も多い。

 

 

・イタドリという名前は、若葉(あるいは乾燥させた地下茎)をもんで患部に当てると傷の痛みが治まる(=痛取り)という民間療法に由来する(諸説あり)。

 

 

・漢字名の「虎杖」も印象的であり、清少納言は枕草子の中で虎に杖は必要ない旨を記しているが、虎の杖の意ではなく、茎に入る模様を虎に見立てたもの。地味な植物ではあるがオヤツやオモチャとして手にされることが多く、京都の貴船神社では6月1日にイタドリ祭りが開かれる。

 

 

・雌雄異株で夏には画像のような花を咲かせる。花びらのように見える白い部分は花びらではなく「萼(がく)」。花の後にできる実は、オオモクゲンジを小さくしたような袋状で、大きさは1センチ前後。

 

 

・葉は卵形っぽい楕円形で先端が尖る。くっきりとした葉脈があり、葉の下端が一直線になること、茎や葉柄が赤みを帯びるのが特徴。戦時中は煙草の代用にこれを用いた。若葉は柄を取り除いて天婦羅に、生の葉汁は虫刺され薬に使うことができる。

 

 

・イタドリにはイタドリハムシやドロハマキチョッキリという甲虫が集まる。前者の成虫はテントウムシのようなデザインで、幼虫、成虫共にイタドリの葉を食べて育ち、後者の幼虫はイタドリの葉を複数枚綴った袋状の巣(揺籃)で育つ。

 

 

・春に出るタケノコのような若い芽は酸味があり、甘酢漬け、塩漬け、酢味噌和え、ゴマ和えなどにして食用する。皮を剥けば生でも食べられるが、蓚酸を含むので多食はしない方がよい。若い茎の両端に切れ込みを入れて水に浸すと小さな太鼓型になり、昔の子供はこれを玩具にして遊んだ。

 

 

・根も竹のように硬く地下を這うが、和え物にして食べることができる。漢方ではイタドリの根を「虎杖根」と呼び、利尿、蕁麻疹、便秘に効果があるとされる。 

 

 

【イタドリの種類】

・五色イタドリ

 葉に白やピンクの模様が入る品種。園芸用に流通する。

 

斑入り虎杖
五色イタドリ

 

・オオイタドリ

 日本海側の山野に多い品種で名前のとおり草丈が大きく、2~3mになる。イタドリに比べると葉の表面はツヤツヤし、茎及び葉脈沿いに短毛があるため裏面が白く見えるのが特徴。

 

大いたどり,植物
オオイタドリ

 

メイゲツソウ 

 高地に自生し、紅色の花を咲かせるためベニイタドリとも呼ばれ、観賞用に植栽される。

 

めいげつそう
メイゲツソウ

 

・ハチジョウイタドリ

 伊豆諸島に分布する品種で、イタドリよりも葉が厚く、背丈が低い点が異なる。

 

ハチジョウイタドリの花
ハチジョウイタドリの花

 

ツルドクダミ 

 イタドリの近縁種で同じような花が咲き、実ができる。中国原産だが江戸時代に滋養強壮薬として渡来し、日本各地で野生化している。

 

つるどくだみ
ツルドクダミ

イタドリの基本データ

 

【分 類】タデ科/イタドリ属

     多年草

【漢 字】虎杖(いたどり)

【別 名】スカンポ(酢模)

     ゴンパチ/サジッポ

     さいたづま

【学 名】Fallopia japonica

【英 名】Japanese knotweed

【開花期】7~10月

【花の色】クリーム色

【草 丈】~150cm

 

目次=掲載草木一覧=サイトマップ

 

検索 植木ペディア内を検索します↓