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シュウメイギク/しゅうめいぎく/秋明菊

シュウメイギクの花,しゅうめいぎく
英名はジャパニーズ・アネモネだが中国生まれ
しゅうめいぎく,葉っぱ
シュウメイギクの葉(初夏)
シュウメイギク,画像
草丈が高いため風に揺れ、その姿は人目を惹く
しゅうめいぎく,花の画像
山野草としてはやや派手な印象があるが
シロバナシュウメイギク
花が白いものもある
白い花が咲くシュウメイギク
草丈は60~90センチほど 
秋明菊
開花期の葉の様子
しゅうめいぎく
秋以降はくすんだ感じになり、冬季には消える
しゅうめいぎく,葉っぱ
葉の裏面の様子
しゅうめいぎく,植物
茎の様子

【シュウメイギクとは】

・中国湖北省を原産とする多年草。花がキクに似るとして名付けられたが、キクの仲間ではなくアネモネの仲間であり、キンポウゲ科イチリンソウ属に属す。

 

・古い時代に中国へ渡航した修行僧が、日本の寺院に持ち帰ったのが起源されるが、現代では和風庭園や寺院などで観賞用に広く育てられるほか、本州、四国及び九州の山野や路傍で野生化している。湿気を好み、小川のほとりなどに特に多い。

 

・シュウメイギクの開花は秋(9~11月)で、茎の頂部に直径5~8センチほどの花が咲く。花弁のように見えるのは「萼片」で、5~30枚程度あり、外側の萼片は緑色だが内側の萼片は花弁のように色づいて美しい。

 

・シュウメイギクは京都の貴船地方に多いことから「貴船菊(きぶねぎく)」とも呼ばれ、茶花に使われることもある。花色は紅紫色あるいは白色だが、一重の白花種は本種とタイワンシュウメイギクを交配させ、イギリスで作出されたもの。

 

・原種のシュウメイギクは結実するが、日本のシュウメイギクは結実せず、地下茎を伸ばすことで増殖している。

 

・葉は茎から出る茎葉と株元から出る根生葉があり、前者は4枚が輪生し、後者は長い柄の先端で3枚の小葉に分かれる。

 

・中国では根茎を解毒や解熱に使うが、シュウメイギクはアネモネ同様、全草にプロトアネモニンを含む毒草とされる。茎をちぎった際に生じる乳液に触れると、人によっては水疱やかぶれを引き起こし、誤飲すれば胃腸障害に陥る。

 

・シュウメイギクという名前について植物学者の牧野富太郎博士は、「秋に開花し、爽やかに見える」ためとしている。別名は上記「貴船菊」のほか、秋牡丹、秋芍薬、観音菊などがあり、漢字表記は秋明菊のほか、秋冥菊、秋名菊がある。

 

【シュウメイギクに似た草花】

イチリンソウ

ニリンソウ

ユキワリイチゲ

シュウメイギクの基本データ

 

【分 類】キンポウゲ科

     イチリンソウ属

     多年草

【漢 字】秋明菊/秋冥菊/秋名菊

【別 名】秋牡丹/秋芍薬

     観音菊/貴船菊

【学 名】Anemone hupehensis

     var. japonica

【英 名】Japanese anemone

     Japanese thimbleweed 

【開花期】9~11月

【花の色】紅紫、白

【草 丈】~90cm

 

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