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カナムグラ/かなむぐら/鉄葎
Japanese wild hop
【カナムグラとは】
・日本全国の道端、空き地、明るい山野に自生するアサ科の一年生蔓草。茎(蔓)や葉柄に細かなトゲがあり、素手で触れるとチクチクし、軍手で触れるとザラついて作業の邪魔をする厄介な雑草の一つ。
・カネムグラの「カネ」は金あるいは鉄で、丈夫な蔓に由来する。「ムグラ」とは、よく茂った雑草のことで、漢字表記は鉄葎、金葎、葎草がある。別名はムグラ、オオムグラ、イヌムグラ、ヤエムグラなど。日本以外の東アジア諸国にも分布する。
・3~4月に種子から発芽し、地際で分岐した蔓が夏までの間、急速に成長し、他物に絡まりながら繁茂する。葉は直径5~12センチほどの掌状で5~7つに深く裂ける。大きなカエデのようだが、質は薄く、表面はザラザラしている。
・雌雄異株で、秋になるとそれぞれの花を咲かせる。雄株に咲く雄花は黄緑色で、円錐状になって上向きに咲き、雌花は紫を帯びた緑色で、松かさのように垂れ下がって咲く。雌雄とも目立つ花ではないが、雄花は大量に咲いてホコリのように花粉を飛ばし、花粉症を引き起こす。雌花の後にできる果実はやや平たい球形になる。
・万葉の時代にはヤエムグラと呼ばれ、当時から扱いにくい雑草として嫌われてきた。しかし、民間療法においては天日干しにした地上部を煎じて利尿や解毒に、擂り潰した葉や黒焼きにして食酢と和えた茎葉は塗り薬として腫れ物に用いた。
【開花時期】
・9~10月
【花の色】
・黄緑色
【背丈】
・数メートル
【カナムグラに名前が似ている草花】
・ヤエムグラ
5~6月に開花するアカネ科の植物。種子が衣類に付着する「ひっつき虫」の一つ。