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カタバミ/かたばみ/片喰

Yellow sorrel

カタバミの葉と花
繁殖力が高く、家系が途絶えないことを祈念して家紋に使った
クローバーみたいな赤い草
雰囲気はクローバーに似るが、小葉の形は異なる
かたばみ,葉っぱ
裏面の様子
開花時期
開花期間はかなり長い
蕊,しべ,雌雄
雌しべは5本、雄しべは10本ある
種が弾け飛ぶ雑草
熟した果実に触れると種が飛び出す
黄色い花の雑草
カタバミは地面を這うように育つ

【カタバミとは】

・北海道から沖縄まで日本全国に分布するカタバミ科の多年草。道端、空き地、田畑の畔、土手、庭を含めた人家の周囲、土手、アスファルトの裂け目など、日当たりのよい場所であれば至るところで観察できるが、厄介な雑草として駆除の対象になることも多い。

 

・葉の雰囲気はクローバーに似るが、小葉がハート形であり、楕円形になるクローバーとは全く異なる。カタバミの葉は日が沈むと外側に畳むように眠り、あたかも葉の半分が食べられたように見えること、あるいは楕円形の小葉が多い草花にあって上半分がないように見えることからカタバミ(片喰)と名付けられた。

 

・カタバミは人里に最も多い植物の一つであり、別名や地方名が多数知られる。葉や茎の水分に酸味があるため、古い和名を「酸い物草」といい、これに類する地方名としてスカンポ、スイスイグサ、スカンク、スカンベ、スカンショが、生葉を金属磨きに使ったことから、ゼニミガキ、ミガキグサ、カネクサ、ゼニグサ、コガネグサといった地方名がある。漢字表記は片喰のほか、酢漿草、傍食など。

 

・花は春先から晩秋まで次々と咲き、ほぼ一年中咲いているように見える。黄色い五弁花は、葉の脇から伸びた花柄に2~8輪ずつ咲き、10本の雄しべと5本の花柱(雌しべ)がある。花弁も葉と同じように日差しによって開閉する。

 

・果実は先の尖った円柱形で、細かな毛に覆われる。中にはレンズ型をした淡い褐色の種子を多数含み、熟した頃に触れると勢いよく五つに裂けて種子が弾け飛ぶ。種子の直径は1.5ミリほどだが、遮蔽物がなければ2mほど離れた場所まで飛んでいくという。その繁殖力の高さからカタバミの葉はしばしば家紋に使われる。

 

・根は地下へまっすぐ伸び、地際で数多くの茎を横に走らせる。茎は地を這うように伸びて所々で根を出し、寒い時期を除けばほぼ一年中発芽して成長する。茎葉は踏圧に強く多少踏まれても生き残り、人が入らないような場所では少し立ち上がるように育つ。

 

・葉は直径1センチほどの小葉が3枚一組で生じ、表面と縁には細かな毛がある。長い葉柄の基部には葉が変化した托葉と呼ばれる小さな耳状のものがあり、オッタチカタバミと見分けるポイントとなる。

 

・葉を刻んで薬味に使うという風習もあるが、蓚酸を含むため普通は食用しない。お歯黒の風習があった昭和初期までは葉に塗った黒い鉄漿を拭き取るのにカタバミの葉を使ったという。

 

・カタバミは変異が激しく、葉の色や大きさ、茎葉の伸び方は変化に富む。葉が緑紫色のものをウスアカカタバミ、暗い赤紫で葉が小さめのものをアカカタバミと呼ぶことがある。

 

 

・カタバミは生薬名を「酢漿草(さくしょうそう)」といい、5~9月に採取した茎葉の絞り汁を皮膚病、痔脱肛に用いる。また、民間療法では、生の葉を揉んで湿布し、虫刺されや傷の出血を止めるのに使われ、チドメグサという別名もある。

 

【カタバミの開花時期】

・4~10月

 

【花の色】

・黄色

  

【草丈】

・5~20cm

 

【カタバミの品種】

 カタバミの仲間は温帯から熱帯にかけて広く分布し、その学名からオキザリス(「酸味がある」の意)と呼ばれることも多い。

 

・オッタチカタバミ

 本種によく似た外来種で、文字どおり茎を立ち上げて育つ。カタバミの果柄は真っすぐ立ち上がるが、オッタチカタバミの果柄は下方に折れ曲がる。

 

・ミヤマカタバミ

 本州~九州の深山に生じる品種。葉の角が尖り、花は4~5月に咲く。

 

・ムラサキカタバミ(ハナカタバミ)

 ブラジルなどの南アメリカを原産とするカタバミの仲間で、江戸時代末期に園芸用として渡来したものが関東から沖縄の各地で野生化している。キキョウのような色の花が咲くため、キキョウカタバミともいう。

 

・イモカタバミ

 ムラサキカタバミと同じように南アメリカを原産とする帰化植物で、紅紫の花を咲かせる。根の上部に芋状の塊茎があるためイモカタバミと名付けれた。

 

【カタバミに似た草花】

 カタバミは「クローバーみたいな雑草」と称されることが多いが、両者の葉はよく見ると全く異なる。

シロツメグサ
クローバーの葉
クローバーみたいな雑草
カタバミの葉