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スイレン/すいれん/睡蓮
Lotus/Water lily/Pond Lily
【スイレンとは】
・ヨーロッパ、北アフリカ、東南アジア、北アメリカ、メキシコなど世界の温帯及び熱帯に広く分布するスイレン科の多年草。花や性質の異なる多くの品種があるが、温帯性と熱帯性に大別され、前者は公園やビオトープなど屋外で、後者は温室で管理される。
・花の様子や漢字のイメージからハスと混同されやすいが、両者は別物。大雑把にいえばハスの葉は水面から突き出て広がるが、スイレンは水面に浮かぶ。また、ハスの根はレンコンとして食用するが、スイレンの根は食用にならない。
・スイレンの栽培が始まったのは5,000年以上前であることが、スイレンを国花にしているエジプトの壁画から判明している。以来、多くの品種が作出され、あちこちで目にする機会も多いが、日本に自生するスイレンはヒツジグサ(及びその変種)のみで、観賞用に栽培されるほぼすべてのスイレンは外来のもの。
・スイレンは漢名「睡蓮」の音読みで、「眠るハス」を意味する。ハスは早朝に開花するが、スイレンは昼過ぎまで開花せず「寝坊」することによるが、夕方になると眠るように閉じることを表すという説もある。スイレンの開花時刻は品種によって異なり、熱帯性スイレンの中には夜に開花する品種もある。
【温帯性(耐寒性)スイレン】
・根は水底を這うように伸び、その先端から馬蹄形(馬の足形のように切れ込みのある円形)の葉を生じる。葉は光沢のある濃緑色で縁にギザギザはない。葉に中空の柄があるが、水面に浮かんでいるように見えるものが多い。若葉には褐色の斑点模様が入る。
・開花は夏が中心だが、品種によっては春~晩秋。長く伸びた花茎の先端、水面ギリギリのところに直径10~20センチの花が一輪ずつ咲く。花弁は十数枚でその裏側には茶褐色の萼片がある。花の寿命は3日間で、昼過ぎに咲き、夕方に閉じることを繰り返す。
・花の後には果実ができ、熟すと自然に崩れて種子が水中に落下する。種子は微細だが、水中で無事に芽を出せば3年ほどで開花する。
【熱帯性スイレン】
・根は黒褐色をした芋状の塊で、大きさは鶏の卵ほど。その表面には多数の突起がある。葉は温帯性スイレンよりも大きく、楯形に近い卵形になる。葉の縁は波打つか多少の切れ込みがあり、表面の葉脈が目立つ。
・花は水中から高く突き出た花茎の先端に咲き、直径は7~15センチほど。温帯性スイレンに比べると花弁は多く、花の色形にバリエーションが多い。花の寿命は4~5日以上で、開花時刻は品種によってバラバラ。屋外での開花は初夏~晩秋だが、温室では一年中花を楽しむことができる。
【スイセンに似た花】
スイレンの基本データ
【分 類】スイレン科/スイレン属
多年草
【漢 字】睡蓮(すいれん)
【別 名】ヒツジグサ
【学 名】Nymphaea spp
【英 名】Lotus/Water lily/Pond Lily
【開花期】6~9月
【花の色】白、ピンク、紫、黄、青など
【草 丈】─(水深による)