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スイセン/すいせん/水仙

Japanese narcissus

水仙,毒
厳寒に耐えて咲くスイセンは、めでたい花とされるが有毒
ニラみたいな葉っぱ
葉に臭いはないが、ニラと間違えてギョーザに使う中毒事故が絶えない
日本水仙の葉
裏面の様子
にほんずいせん,草花図鑑
葉は地際から生じる「根生葉」
蕾の様子
花茎は「仏炎苞」という膜に包まれる
ハダカユリ
名は漢名「水仙」の音読みによる 
花の画像
古くは「キンダイ」「キンデン」と呼ばれ、「ハダカユリ」という別名もある
スイセンの花
花には芳香があり、香料に使われる
スイセンの画像
草丈は最大50センチほどに

【スイセンとは】

・西アジアからヨーロッパにかけた地域に分布するヒガンバナ科スイセン属の多年草の総称。古くから観賞用として栽培され、品種改良が盛んに行われたため、その品種は3000を超える。日本ではラッパスイセン、キズイセン、キブサズイセン、クチベニスイセン、ジャノメスイセン、タマスイセンなど100を超える品種が栽培されるが、一般的にスイセンという場合はニホンズイセンを示す。

 

・ニホンズイセンは、地中海沿岸地方を原産とするフサザキスイセンの変種で、古い時代に中国大陸を経て渡来したものが野生化した帰化植物。関東地方南部から九州各地の海岸近くや日当たりの良い草地、斜面に分布する。房総半島、淡路島、福井県の越前海岸は「日本水仙三大群生地」として知られ、福井県はニホンズイセンを県の花に指定している。

 

・開花は12~3月で、葉の間から伸びた鉛筆のような花茎の先端に、直径1~3センチほどの花が5~8輪、横向きに咲く。白い花弁が6枚あるように見えるが、本物の花弁は内側の3枚で、残りは萼片が花弁のようになったもの。中央にある黄色い部分は副花冠と呼ばれる。一重咲きが原則だが、八重咲きや花が黄色一色、クリーム一色、白一色になる品種もある。

 

・スイセンは他の花が少ない寒い時季に咲くことなどから、めでたい花とされ、「三清」(タケ、ウメ、スイセン)、「三君」(ウメ、ジンチョウゲ)、四清(タケ、ウメ、キク、スイセン)と呼ばれて珍重されてきた。セッチュウカ(雪中花)という美しい別名もある。

 

・開花期以外にスイセンが目立たないのは、ヒガンバナと同様に花だけではなく葉も限られた期間のみ生じるため。葉は初冬に根際から4~6枚が直接生じ、長さ30~40センチになる。線状で細長く、質が厚く、表面はやや白みがかった緑色になる。

 

・スイセンにちなんだ伝説や神話は多いが特に有名なのは、泉の水面に映った自分の姿に恋した美少年ナルキッソスがそのまま溺死してスイセンに成り変わったというギリシャ神話。これにちなんだ花言葉「自己愛」「うぬぼれ」「エゴイズム」「神秘」などがあるが、スイセンは果実ができず、根茎の株分けで増やすことや毒があることを考え合わせると興味深い。

 

・地中にある鱗茎(りんけい)=球根は鶏卵大で黒い皮に覆われる。 これを擂り潰したものは乳腺炎などの腫物、肩こりに効くという民間療法がある。ただし、球根と葉にはリコリン、タゼチンという有毒成分を含み、汁液に触れると皮膚炎を起こし、誤食すれば嘔吐、下痢、胃腸炎、頭痛などを引き起こす。場合によっては生命に関わる事態を招くこともあるため取扱いには注意する必要がある。

 

【開花時期】

・12~3月

 

【花の色など】

・白、黄色

 

【背丈】

・20~50cm

 

【スイセンの品種】

黄色い水仙
ミニスイセン
真っ白の水仙の花
ペーパーホワイト