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ラカンマキ/らかんまき/羅漢槙

Yew plum pine

らかんまき,ラカンマキ,樹木
和風庭園の主役にも使われる
ラカンマキ,らかんまき,樹木図鑑
新葉の様子
らかんまき,イヌマキとラカンマキ,見分け
イヌマキと比べると葉は短く、上を向く
らかんまき,植物
裏面の様子
羅漢槙,らかんまき,花,画像
ラカンマキの雄花
めばな,おばな
開花後の雌花
らかんまき,羅漢槙
未熟な果実
羅漢槙 実 食べる
ラカンマキの実 逆立ちになるが、お坊さん(羅漢)に見えなくもない
らかんまき,羅漢槇,剪定
剪定しなければ、こんなことになる
ラカンマキ,らかんまき
自然樹形
老木
ラカンマキの古木
らかんまき,幹
古木の樹皮

【ラカンマキとは】

・関東地方南部以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するマキ科の常緑樹。イヌマキの変種であり、同様に庭木や生垣として広く使われる。日本以外では中国本土や台湾に分布。本来の自生地は中国とする説があるものの、詳細は不明。

 

・ラカンマキの葉は長さ4~8センチでイヌマキよりも短く、密生する。葉はやや白味を帯び、個体によっては葉先が黄色っぽくなることも。イヌマキとの違いは後述のとおりだが、素人では見分けるのが難しい上、ホソバマキという葉の細いイヌマキの品種もあってややこしい。

 

・ラカンマキはイヌマキよりも成長が緩やかで、樹形が引き締まるため、価値が高いとされる。樹高もイヌマキより低く、5m以下のものが多い。枝は直立しがちであり、庭木として使う場合はシュロ縄や針金で誘引される。

 

・ラカンマキの開花は5~6月。雌雄異株で雌の木には雌花が、雄の木には雄花が咲く。雄花は淡いクリーム色の穂状でそれなりに目立つが、雌花は小さな粒状かつ疎らに咲くため見付けにくい。

 

・果実はイヌマキと同じだが、雌花は少なく結果は稀。繁殖は挿し木によることが多い。ラカンマキという名は実の形を、袈裟をまとった高僧(羅漢/阿羅漢)に見たてたもの。イヌマキ同様、赤い部分(果床/花托)は美味だが、黒い部分(実托)は毒性があって食べられない。

 

・樹皮は灰白色で、成長に伴って縦に薄く剥がれ落ちる。材は良質で、建材や器具類に使われる。

 

 【ラカンマキの育て方のポイント】

・イヌマキと同様に丈夫な性質を持ち、海岸沿いの防風林にも使われる。苗木を育てるのは日向に限るが、成木であれば日陰でも育つ。

 

・重い土を好むが、砂でも粘土でも適応力はある。ただし、湿度の高い方が育ちがよい。

 

・やや寒さに弱く、植栽できるのは東北地方の南部より南。特に冬の乾いた風に弱い。

 

・放置すれば大型の円錐形に育つ。剪定に相当強く、20~30年以上かけて枝を作り上げたものはシンボルツリーや門かぶりとして尊ばれる。また、成長が遅いため垣根として使えば管理しやすいものとなる。

 

・ある程度の見栄えがするようになるには10年以上かかるため、庭木として早期の完成を期待するならイヌマキの方がよい。

 

・病害虫に強いが、樹勢が衰えるとハマキムシ、カイガラムシ、アブラムシなどの被害に遭うこともある。

 

【イヌマキとラカンマキの見分け方】

・イヌマキの葉は幅が8ミリ~12ミリでラカンマキ(幅4ミリ~6ミリ)に比べると広い。長さもイヌマキの方が長い。 

 

・ラカンマキの葉は上に向かって伸びることが多い。

見分け方
イヌマキ(左)とラカンマキ(右)

 

【コウヤマキとの見分け方】

コウヤマキは葉が棒状(針状)で、遠目にはマツのような印象を与える。 

 

・コウヤマキはマツボックリのような実がなる。

槙の見分け方,違い
コウヤマキ(左)とラカンマキ(右)

ラカンマキの基本データ

 

【分類】マキ科/マキ属

    常緑針葉/小高木

【漢字】羅漢槙(らかんまき)

【別名】マキ

【学名】Podocarpus macrophyllus

    (Thunb)Lamb. var. maki Sieb. 

【英名】Yew plum pine

【成長】やや遅い

【移植】簡単

【高さ】4~10m

【用途】シンボルツリー/和風庭園

    垣根

【値段】5000円~

 

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