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コウヨウザン/こうようざん/広葉杉

China fir

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コウヨウザンは高さ30mにもなる
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葉は先端が尖り、触れると痛い
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常緑だが枯れた枝葉が引っ掛かっていることが多い
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新葉の展開と共に開花する
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中央付近が雌花で、その周囲に複数の雄花が咲く
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雌花の後には球果ができる
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でき始めの球果(実)の様子
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コウヨウザンの実は直径3~5センチの卵型
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葉は冬でも青々としている
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樹皮はスギに似ており、縦に長く裂ける
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コウヨウザンの根元にはこうした「ひこばえ」が多い

【コウヨウザン】

・中国南部や台湾を原産地とする常緑針葉樹で日本へ渡来したのは江戸時代の末期。天に向かってまっすぐに伸びる樹形とオリエンタルな雰囲気が好まれ、社寺の境内に数多く植えられ、庭木としても使われる。

 

スギに似た幅の広い葉を持つため「広葉杉」と呼ばれるようになったという。実際のところ、葉は杉よりもはるかに大きく、より長く、表面はピカピカと光沢があり、樹皮以外はそれほど似ていない。中国語の杉(サン)は本種を示し、日本でいうスギは「柳杉」と表す。

 

・コウヨウザンの開花は葉の展開と同じ4月頃で花には雌雄がある。雌花は淡い紅色の楕円形で一つだけ、雄花は黄褐色の円筒形で複数が枝先に咲く。雌雄とも花の基部に鱗片があるのが特徴。

 

・雌花の後にできる球果(マツボックリ)は直径3~5センチで、10~11月頃になると褐色に熟す。中に含まれる種子は長さ6ミリほどの楕円形で、幅の広い翼がある。丸みを帯びた球果は愛らしさがあり、クリスマスリースやドライフラワー用に流通する。

 

・葉は長さ3~6センチ、幅3ミリほどの線形で枝から交互に生じ、多少湾曲する。葉の縁には細かなギザギザがあり、裏面には気孔帯と呼ばれる白い線が2本走る。

 

・成長が早い分、材の密度が低くて折れやすいため、日本では材木として使われることは少ない。しかし、シロアリの害に強いため、原産地の中国ではもっとも重要な材木とされ、建築、船舶、箱や桶に使われる。日本で売られている中国産の家具の中には、コウヨウザンを使っているものもある。 

 

【コウヨウザンの育て方のポイント】

・砂交じりの半日陰地に自生することが多いが、性質はスギとほぼ同様であり生育に手間はかからない。東北以南の各地に植栽できる。

 

・葉が大きく、背丈も高くなることから風に弱い。その対抗手段としてか、スギの仲間では珍しく、幹が途中で折れても、そこから新芽を出して再生する。また、根元から発生する「ひこばえ」も多いため、ひこばえだけを残して株を更新することができる。

 

・年を経るにつれて下枝が枯れやすく、見苦しく残るため、適宜剪定して若い枝葉を出すのがよい。しかし、葉が大きいことに加え、チクチクとして作業はしづらい。年間を通じて見られる落ち葉の処理も厄介である。 

 

【コウヨウザンに似ている木】

・ランダイスギ(中国産)及び、タイワンスギ(同)がある。タイワンスギの葉はコウヨウザンよりも杉に近い。

コウヨウザンの基本データ

 

【分類】スギ科/コウヨウザン属

    常緑針葉/高木

【漢字】広葉杉(こうようざん)

【別名】カントンスギ/リュウキュウスギ

    オランダスギ/オランダモミ

【学名】Cunninghamia lanceolata

【英名】China fir

【成長】早い

【移植】簡単

【高さ】20m~30m

【用途】公園/寺社

【値段】1500円~

 

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