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カゴノキ/かごのき/鹿子の木

Kagonoki tree

カゴノキ,樹皮,写真
幹の模様が「鹿の子」に似るとして命名された

 

【カゴノキとは】

・茨城県及び石川県以西の暖地に分布するクスノキの仲間。「籠」を連想させる名前だが「籠」ではなく「鹿子」であり、成木の樹皮が鹿の子供のような斑(まだら)模様になることにちなむ。

 

・日本のほか台湾、中国中南部及び朝鮮半島南部にも自生。

 

・まだら模様の樹皮は幹の直径が20センチを超えるあたりから見られる。林間にあっても人目を惹く木肌であり、特に落葉期は遠目にもそれと分かる。

 

・同じように樹皮が不規則に剥離する木には、サルスベリプラタナスリョウブナツツバキシロマツなどがある。

カゴノキの新芽,かごのき,画像
冬芽の様子
カゴノキ,樹木
同じクスノキ科のタブ同様、新芽は目立つ
鹿子樫,かごのき,樹木
新葉の様子(4月下旬ころ)
かごのき,植物
カゴノキの葉
かごのき,葉っぱ,カゴノキ
葉の裏側は白い
鹿子の木
成長が早く、樹高20mの大木になる

 

・カゴノキの葉はカナメモチに似た革質で、表面は年間を通じて光沢があり、裏面は白っぽい。葉が入れ替わる春には古い葉が黄色くなって落葉する。

 

・葉は枝から互い違いに生じる互生で、葉を擦り合わせるとクスノキ科特有の香りがある。

カゴノキの花 写真
雌花の蕾
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カゴノキの雌花
カゴノキ,樹木,かごのき
雄花の蕾
鹿子の木,かごのき,花
カゴノキの雄花

 

・カゴノキの開花は7~9月で、クスノキゲッケイジュに似た淡い黄色の花が咲く。雌雄異株。

 

・雄株に咲く雄花は9本の雄しべが突き出ており、雌株に咲く雌花には1本の雌しべと花弁のような4枚の総苞片があり、3~4輪がひとまとまりになって咲く。

 

・雌花の後には実ができるが、赤く熟すには約1年もかかり、翌年の花と一緒に見ることができる。

カゴノキの実,かごのき
未熟な果実の様子
カゴノキの実,画像
実が熟すには1年もかかる
かごのき,果実
熟すと艶やかな赤になる 

 

・カゴノキの材は淡い赤味を帯びる。硬質で緻密であるため、床材、建材、楽器、器具はもとより、太鼓の胴や船のマスト、車輪や銃台などに使われた。

鹿子の木,樹皮,かごのき
材は緻密で硬い
樹皮がマダラに剥げる木
カゴノキの大木(小石川植物園)

【カゴノキの育て方のポイント】

・寒さに弱く、茨城県の北部が自生の北限となっている。北海道や東北地方では育てられない。

 

・適度に湿った場所を好む。耐潮性があり、防潮林にも使用できる。

 

・成長が早く、大木となる。一般家庭に植えるような木ではなく、実際に植栽例はほとんどない。このため希少性や話題性があるとはいえる。

 

【カゴノキに似た木】

ハマビワ

バリバリノキ

カゴノキの基本データ

 

【分類】クスノキ科 ハマビワ属

    常緑広葉 高木

【漢字】鹿子の木(かごのき)   

【別名】カゴカシ/カゴガシ(鹿子樫)

    カノコガ/コガノキ

【学名】Litsea coreana 

【英名】Kagonoki tree

【成長】早い

【移植】簡単

【高さ】15m~20m

【用途】公園

【値段】800円~

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