コウジ/こうじ/柑子

Japanese Kouji Orange

コウジミカン,画像
果実は小粒だが香りが高い

 

【コウジとは】

・平安時代から栽培されるミカン科の常緑樹。果実は小さくて酸味が強いものの、ウンシュウミカンなど今日的なミカン類が普及するまでは、普通に食用されていた。

 

・コウジの来歴については、同じように小粒の果実ができるキシュウミカンの一種で日本産とする説、タチバナの変種で日本産とする説、古い時代に中国から渡来したとする諸説がある。

 

・コウジという名の由来については、ヤブコウジ科のコウジ(カラタチバナ)に果実が似ることによるという説がある。単にコウジという場合、発酵食品を作る「麹(こうじ)」と混乱しやすいため、コウジミカンと呼ぶことが多い。

うすかわみかん
外皮が薄いため別名を薄皮ミカンという

 

・コウジの開花は5~6月。他の柑橘類と同様に、花弁が5枚ある白い花を咲かせる。花の直径は1.5~2センチほど。

 

・果実は直径5センチ、重量40gほど。頂部はわずかに窪み、表面は滑らかで光沢がある。この明るい黄色を平安時代から「柑子色」と呼ぶ。別名は「薄皮ミカン」で外皮は中の袋が透けて見えるほど薄く、皮が剥きやすい。

 

・コウジの果実が熟すのは11月中旬~12月下旬頃。果肉は淡い黄色で汁気が多く、甘さよりも酸味が強い。種子が6粒ほどあるため現代の感覚では食べにくいが、かつては普通に生食し、特有の風味を味わった。また、小さくて扱いやすいため関西ではかつて正月の祝儀物である「蓬莱飾り」にこれを用いた。

コウジ,植物,葉
葉は硬質で表面には光沢がある
こうじの木,みかん
裏面の様子

 

 

・コウジの葉は長さ3~6センチほどの楕円形で、ウンシュウミカンより小さい。樹高はあまり高くならず、短めの枝が密使して繁茂する。

幹,こうじみかん
樹皮の様子

 

 

【コウジの育て方のポイント】

・耐寒性が高いため他の柑橘類が育ちにくい日本海沿岸の寒冷地でも育てられる

 

・枝に刺がないため扱いやすい。

 

・自家結実性があり、1本植えるだけで果実ができる。

 

・開花や結実には日照が不可欠であり、日陰ではうまく育たない。 

 

・順応性は高く、土質を選ばずに育つが、植穴に鶏糞や腐葉土などの有機肥料を施すとさらによい。

 

【コウジに似たミカン】

キシュウミカン

タチバナ

コウジの基本データ

 

【分類】 ミカン科/ミカン属

     常緑広葉/小高木

【漢字】 柑子/甘子(こうじ)

【別名】 コウジミカン(柑子みかん)

     ウスカワミカン(薄皮みかん)

     フクミカン(福みかん)
     フクラミカン(福来みかん)

     アベタチバナ

【学名】 Citrus leiocarpa

【英名】 Japanese Kouji Orange

【成長】 やや早い

【移植】 簡単

【高さ】 3~6m

【用途】 果樹/花材

【値段】 2500円~

 

目次=掲載草木一覧=サイトマップ

 

検索 植木ペディア内を検索します↓