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エゾユズリハ/えぞゆずりは/蝦夷譲葉
Ezo yuzuriha
【エゾユズリハとは】
・北海道及び中部以北の本州に分布するユズリハ科の常緑低木。北海道(蝦夷)に見られるユズリハという意味合いで名付けられたが、本州日本海側の多雪地帯にも自生が見られる。
・暖地に多いユズリハの多くは幹が1本で、比較的大きく育つが、本種は複数の幹が株立ち状に育ち、雪の多い地方では幹の下部が横に這うように育つ。これは豪雪地帯に対応するためと考えられ、樹高は3m程度にしかならない。また、枝がしなやかで雪の重みに耐える。
・ユズリハに比べて管理しやすいため、積雪地帯以外でも公園などに植樹されることがある。また、積雪地帯ではユズリハの代用として正月飾りに使われる。葉は長さ10~15センチほどでユズリハよりやや小さくて質は薄く、葉脈が少ない。
・開花は新葉が展開する5月ころ。雌雄異株で雄の木には雄花が、雌の木には雌花が咲くがいずれも花弁や萼片はなく、花とは気づかれにくい。雄花はまとまって咲き、雌花の後にできる果実は直径1センチほどの球形で長い柄があり、10~11月になると黒く熟して表面に白い粉を吹く。
・葉や樹皮にはユズリハ同様、有毒成分が含まれており、牛馬がこれを誤食すると食欲不振、起立不能、急性胃腸炎、呼吸麻痺、心臓麻痺を引き起こす。
【エゾユズリハの育て方のポイント】
・ユズリハよりも寒さに強く、比較的暗い場所でも育てることができる。ただし暗い場所では枝葉が間延びしやすい。
・暑さにはやや弱く、植栽の適地は中部以北となる。
・枝葉が大型で見た目がすっきりしているため剪定もしやすいが、それほど手をかけるような木ではない。半ば放任気味に育て、数年に一度、株元で枝を切って更新すれば樹勢を維持できる。
【エゾユズリハに似ている木】
・ユズリハ
西日本に多いユズリハの仲間。エゾユズリハの葉はユズリハよりもやや小さい程度だが、ヒメユズリハの葉は明らかに小さい。
エゾユズリハの基本データ
【分類】ユズリハ科/ユズリハ属
常緑広葉/低木
【学名】Daphniphyllum macropodum
Miq. var. humile
【別名】エゾユズ/ヒナユズリハ
【成長】やや早い
【移植】普通
【高さ】1m~3m
【用途】公園
【値段】500円~