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シラン/しらん/紫蘭
【シランとは】
・西日本の温暖地に自生するラン科の多年草。かつては日当たりの良い傾斜地に群生していたが、手軽に庭で育てられる丈夫な性質が災いし、乱獲によって野生のものは激減した。
・東日本でも地植えで越冬することのできる身近なランの一つであり、庭園や個人の庭に広く植えられる。
・葉は幅5センチ、長さ15~30センチほどと細長く、先端が尖る。触れると硬く、その様は庭木でお馴染みのシュロに似ているため地方によってはシュロラン、シロランなどと呼ぶ。シュロと違って秋以降は黄葉し、冬季には地上部が見苦しくなる。
・花期は初夏で細長く伸びた花茎の先端に薄紫色の花が3~7輪ほど咲く。花色は画像のような紫が基本だが、一部にピンクが入るもの、白色のものなど、いくつかの品種がある。
・花の後にできる果実は画像のように大きくて目立つが、中には小さな種子が粉末状に入っている。種子からは発芽しやすいが、繁殖は普通、株分けで行う。
・茎の付け根付近が球根のように太っているのがシランの大きな特徴。これを乾燥させて粉末状にしたものは漢方薬「白笈」として打撲、止血、胃炎などの消炎に効果があるとされる。鼻血が止まらないときはシランの根の汁を鼻の付け根につけるとすぐに止まるという。
【開花時期】
・4月~5月
【花の色など】
・紫、白
【背丈】
・~70cm