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ゼンマイ/ぜんまい/薇

Japanese royal fern

山菜のゼンマイ
名前の由来となる新芽の様子
Japanese royal fern
新芽は綿毛をかぶる
種類,オニゼンマイ
ゼンマイの葉
ぜんまい,葉っぱ
裏面の様子
Japanese royal fern
茎の様子

【ゼンマイとは】

・日本各地の低山~亜高山に自生する大形のシダ植物。ゼンマイ科に属する多年草で、湿った林や野原、谷川の土手などで普通に見られ、時に群生する。

 

・春先に生じる渦巻き状の若芽を山菜として食用することで知られ、ゼンゴ、ゼンノキ、ゼンメッコなどの地方名で親しまれる。日本以外では中国、朝鮮半島、インドなどのアジア各地に分布。

 

・若芽が銭(コイン)の大きさに巻く(銭巻)、あるいは銭が回転するように見える(銭舞)ことから、それらが転訛してゼンマイと呼ばれるようになった。ちなみに時計の部品であるゼンマイは、本種に形が似ることに由来する。

 

・4~5月に地面から出たばかりの若芽は淡い褐色の綿毛をかぶり、雨露を弾いて光輝くが、成長に伴って綿毛は剥落する。葉には栄養を作るための栄養葉と、繁殖のための胞子葉とがあり、食用にするのは前者の若芽。後者は食用にならず、オニゼンマイと呼ばれる(=オニゼンマイは品種名ではなく、食べられない葉のこと)。

 

・栄養葉は開くと長さ50~100センチもの羽根状となり、鮮やかな緑色を帯びる。胞子葉は褐色の円錐形で、栄養葉の中心に数本が立ち上がる。胞子は胞子葉にある胞子嚢から放出され、これによって繁殖する。

 

・食用にするのは綿毛をかぶっている頃の栄養葉の若芽で、木灰や重曹を使ってアク抜きしたものを、御浸しや煮物などにする。アク抜きに手間が掛かるため、現代では乾燥させた干しゼンマイや水煮の既製品を使うことが多い。

 

・ゼンマイの根茎は太くて短いが、黒くて硬いヒゲ根を持つ。排水性がよくて腐りにくいため、かつては乾燥させたゼンマイの根を園芸資材(オスマンダ)とし、洋ランの植込みなどに活用した。

 

【ゼンマイに似ている植物】

・ヤマドリゼンマイ

 ゼンマイより大型の種で、より標高の高い場所に分布する。

 

・ヤシャゼンマイ

 ゼンマイによく似るが、水辺に自生する。葉の基部がくびれており、ゼンマイよりもスマートな姿形になる。

 

クサソテツ(コゴミ)

 日当たりのよい湿地に見られるオシダ科のシダ植物。アクがなく手軽に食べられるため、山菜として人気が高い。