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サルトリイバラ/さるとりいばら/猿捕茨

Sarutori-ibara(China root)

山帰来,サルトリ,サンキラ
秋にできる実は食用になる
サルトリイバラ,葉っぱ,さるとりいばら
葉は「サンキラ」として餅や饅頭を包むのに使う
猿捕茨,つる
トゲはまばらで、バラほどではないが触れれば痛い
カカラ,山帰来,実,さるとりいばら
盛夏の頃の実の様子
さるとりいばら,実
果実は晩夏から色づき始め・・・
山帰来,赤い実
徐々に赤くなり・・・
さるとりいばら,紅葉,実
黄葉のころに熟す
山帰来,さるとりいばら
草のようにも見えるが、木の仲間であり・・・
さるとりいばら
野生状態では自立することもあるが・・・
サルトリイバラ,育て方
庭ではネットやトレリスに巻き付けて育てる

 

【サルトリイバラとは】

・東アジアの山野で普通に見られるツル性低灌木。つるに生じる棘や葉元から生じるヒゲ根によって他の木々に絡まって育つ性質を持ち、これが繁茂したところへ追いやられると猿さえも脱出できず、人間に捕らえられてしまうという意味合いでサルトリイバラ(猿捕茨)と名付けられた。刺の様子をバラに擬えているだけであり、イバラ(ノイバラ)の仲間ではない。

 

・俗言に「山で恐いはサルトリイバラ、里で恐いは人の口」というものがある。噂話はともかく、サルトリイバラのトゲはまばらであるが、ヒゲ根は厄介であり、サルの進化型である人間にとっても扱いづらい。

 

・葉は直径3~12センチの円形あるいは楕円形で枝から互い違いに生じる。葉の縁にギザギザはなく、表面には光沢がある。若菜は茹でると食用になるが、成葉は分厚くてゴワゴワしており、食べる気にさえならない。西日本ではこれを「サンキラ」と称し、カシワホオノキと同じように饅頭や餅を包むのに用い、これに由来する地方名「マンジュッパ」「ボタモチバラ」「カシワ」が知られる。

 

・雌雄異株で開花期(4~5月)になると雌雄の花を多数咲かせるが、黄緑色の小さな花であり、バラのように目立つことはない。 

 

・9~12月以降、雌株には画像のような果実ができる。大型(直径1センチほど)かつ光沢があるためよく目立つ。有毒成分は含まれておらず、生食、果実酒として利用できる。果実の中にはクリーム色の堅い種子が二粒入っており、これを蒔けば増やすことができる。

 

・サルトリイバラの根茎は地上のツルと同様によく育って木質化し、節の多い独特の形状になる。これにはサポニンやタンニンが含まれ、秋に採取したものを乾燥させれば「和山帰来」という漢方薬になる。ニキビ、腫物、むくみ、利尿などに効果が期待されるが、実際にはさほどの効き目がないという。

 

・別名のサンキライは、サルトリイバラから作られた漢方薬を中国に分布するサンキライの代用としたことによる。ちなみにサンキライは「山帰来」であるが、梅毒を患って村を追われた男が、この薬草で治り、村に帰ってきたという故事に由来するという説と、山の珍しい食糧を包む葉を意味する「山奇粮(さんきろう)」が転訛したとする説がある。

 

・生け花の世界においても本種をサンキライ(山帰来)と呼び、水持ちの良い果実や葉、あるいは節ごとにジグザグに折れ曲がる特徴的な枝を花材として珍重する。 

 

【育て方のポイント】

・そこらじゅうの道端に生じるような丈夫な性質を持つが、乾燥した日向を好み、日陰では開花や結実が望めない。

 

・樹勢は強く、放置すれば縦横無尽に広がる。茎は硬く、刺もあるため扱いにくいが、定期的に剪定して繁茂するのを防ぐ必要がある。

 

・主だった幹はなく、ツルや葉の付け根から生じる一対の巻きヒゲで他の植物に絡まりながら育つのが普通。放任すれば高さ5~6mまで登りつめて他の樹木を枯らす可能性もあるため、フェンスやトレリスを用いて誘引したい。

 

【サルトリイバラの品種】

・ハマサルトリイバラ

 暖帯南部から亜熱帯に見られる仲間で、似たような性質を持つが、刺がほとんどない。このほか全7種類のサルトリイバラがある。

サルトリイバラの基本データ

【分類】ユリ科シオデ属

    落葉つる性低木

【学名】Smilax china

【別名】サルトリ/サンキライ/ガンタチイバラ/カカラ

【成長】やや早い

【移植】移植可能だが、掘り起こすのは難しい。

【高さ】0.5~3m

【用途】生垣/花材/棚

【値段】1200円~