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サイカチ/さいかち/梍

Honey locust

さいかち,棘のある木,画像
枝が変化してできたサイカチの棘
サイカチの冬芽,画像,さいかち
冬芽は かなり地味で目立たない
サイカチの葉っぱ,食べる
若菜はサンショウに似ており、食用になる
さいかち,花,ツボミ
サイカチの蕾
さいかちの花,雌雄,皀
サイカチの花(雌花)
さいかちの木の花
サイカチの花(両性花)
サイカチの葉,庭木図鑑
葉の様子
さいかち,梍,槐,大きな豆
サイカチの豆果 日本のマメでは最も大きい
槐,樹木,種子
かなり大きいが、食用にはならない
さいかち,樹木
褐色に熟した「サイカチの実」は秋の季語
サイカチの木
サヤはやがて黒くなり・・・
サイカチ,樹木,特徴,さいかち
落葉後も長期間にわたって枝にぶら下がる
皀角子
サイカチの種子
Honey locust,tree
サイカチは高さ20m程度まで育つ
さいかち,植物
落葉期の様子
さいかち,トゲ
幹の様子
皀の木,さいかち
棘によって動物の食害から身を守る

【サイカチとは】

・本州中南部、四国及び九州に分布するマメ科の落葉樹。古くはカワラフジノキ(河原藤木)といい、川や沢沿いなどの水辺に自生するがその数は少ない。日本以外では中国や朝鮮半島にも分布。

 

・幹に鋭い棘があることや、大型のマメができることで知られる。棘は枝が変化してできるもので、木の成長に伴って分岐し、長さは15センチにも達する。かつてこのトゲは腫物の膿を出すのに使われ、傷の治りが良いという。

 

・葉は小さな葉が複数集まって羽根状になるが、先端に小葉のない珍しい形(偶数羽状複葉になるのが特徴。枝にも鋭いトゲがある。

 

・サイカチの開花は初夏(5~6月)。短い枝先に直径8ミリほどの四弁花を大量に咲かせる。雌雄同株で花には雌花と雄花、そして両性花があるが、年によって雌雄どちらかに偏りがちな性質を持つ。花序(花の集り)は長さ10~15センチで、雄花はその先端付近に、雌花と両性花は基部にできる。「サイカチの花」は夏の季語。

 

・10月頃に成熟する豆果は長さ20~30センチで、捩れながら垂れ下がる。内部には長さ1センチほどの種子が3~6粒できる。種子は利尿や痰を切る漢方薬として、鞘(サヤ)はエゴノキと同じようにサポニンという物質が含まれるため、水に浸けると泡立つ。昭和の頃までは、サイカチの煮汁を洗濯石鹸代わりに使った。

 

・かつては石鹸用に民家に植えることがあったが、現代ではその名残の大木が残るのみで、庭木として使うことは少ない。近年、オーガニックブームの影響もあって自然に優しい石鹸として見直されているが、種子を誤食すると嘔吐や下痢を引き起こす。

 

・サイカチという名前は、種子の漢方名である「サイカクシ(皀角子)」に由来し、「皀角子」が「西海子(さいかいし)」に転じ、さらにサイカチになったとする説が有力。滑らかな身体を意味する「サイカチ(細滑)」によるものとする説、樹液を吸いにやって来るカブトムシの地方名(サイカチ)に由来し、棘をその角に擬えたとする説などもある。

 

【サイカチの育て方のポイント】

・湿気のある場所を好むが、土質は問わない。

 

・大木になることに加え、枝や幹に鋭い棘があることから、原種を街路樹や庭木として用いることは少ない。庭木としては、棘がない園芸品種や葉が黄金色になる品種を使う。

 

【サイカチの品種】

・アメリカサイカチ サンバースト

 幹に棘がなく、新葉が黄色くなる品種。園芸用としては原種より扱いやすく、見栄えも良い。なお、アメリカサイカチはアメリカ全土に産するが、日本のものと同様に幹や枝にトゲがあり、サンバーストはその変種であるトゲナシアメリカサイカチの一つ。

 

・ヒメサイカチ

 文字どおり株全体が小型の品種。稀に庭木として使われる。

あめりかさいかちの木
アメリカサイカチ サンバースト

 

【サイカチに似た木】

・ナンバンサイカチ

 サイカチの近縁種。黄色い五弁花を咲かせ、満開期には黄色いシャワーのように花弁が落下することからゴールデンシャワーと呼ばれる。インド、スリランカ及びミャンマーを原産とするが、日本でもハワイから持ち込まれたものが沖縄で栽培されている。

サイカチの種類
ナンバンサイカチの葉

サイカチの基本データ

 

【分類】マメ科/サイカチ属 

    落葉広葉/高木

【漢字】梍/皀/槐

    皀角子(さいかち)

【別名】サイカシ

    カワラフジノキ

【学名】Gleditsia japonica

【英名】Honey locust

【成長】早い

【移植】簡単

【高さ】10~20m

【用途】公園

【値段】5000円~

 

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