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コバノズイナ/こばのずいな/小葉の髄菜

Virginia sweetspire 

茶花,ひめりょうぶ,こばのずいな
梅雨時にリョウブに似た花が咲く
ツボミ,こばのずいな,コバノズイナ
蕾の様子
Virginia-tea
花は花穂の下から咲き上がる
Virginia-tea
独特の香りがある
コバノズイナ,庭
若葉の様子
ヒメリョウブ,こばのずいな
成葉の様子
コバノズイナ,植物,こばのずいな
裏面の様子
小葉のズイナ,植物
若い枝や花軸は赤紫になることも
Virginia-willow
樹高は最大でも3mほど
こばのずいな,植物
紅葉の様子
Virginia-willow,こばのずいな
環境がよければ綺麗に紅葉する
Virginia-tea
樹皮の様子

【コバノズイナとは】

・北アメリカを原産とするズイナ科の落葉低木。日本へ渡来したのは明治時代で、在来のズイナよりも葉が小さいためコバノズイナと名付けられた。アジサイと同じ時期に咲く白い穂状の花や、紅葉を観賞するため各地の庭園に植栽され、生け花の花材にも使われる。

 

・コバノズイナの開花は5~7月。新たに伸びた枝先に、直径5ミリほどの小さな白い花が長さ5~10センチの穂状に集まって咲く。花には5本の雄しべと5枚の花弁が目立つが、花弁は開花後の早い段階で落ちる。別名のヒメリョウブは花がリョウブに似ることから。花には香りがあり、花の後には乾いた果実ができる。

 

・コバノズイナの葉は長さ3~7センチの楕円形でズイナよりも小さい。先端は尖り、縁には細かなギザギザがある。葉は細い枝から互い違いに生じ、枝は真っすぐ上へ伸びる。枝葉の出方や紅葉はズイナよりも美しく、庭木としてはコバナズイナの方が好まれる。

 

・主だった幹はなく、細い枝が株立状に多数乱立するのが普通。若い茎や幹は赤紫色だが古くなると黒褐色となり、やがて樹皮はまだらに剥離する。

 

【コバノズイナの育て方のポイント】

・耐寒性がやや乏しく、植栽の適地は関東以西とされてきたが、近年では東北地方南部でも栽培可能。ただし、冬季の乾いた風は苦手とするため、植栽する場所は考慮した方がよい。

 

・日当たりの良い場所を好み、半日陰や日陰地では花数が少なく、紅葉が綺麗ならない。

 

・土質を選ばずに育つが、本来は水はけの良い肥沃な土地を好む。

 

・自然に樹形が整うため、剪定はほとんど必要ない。庭が狭い場合は古い枝を根元から切除して樹形を維持する。刈り込みばさみで人工的な樹形にするような木ではない。また、落葉期に枝先を切ると花が咲かなくなる。

 

・病害虫は少ないが、風通しの悪い状態ではアブラムシやカイガラムシの被害に遭うことがある。

 

・過剰に施肥すると葉が不自然に大きくなって、紅葉が綺麗にならない。寒肥として油粕や骨粉を軽くまく程度でよい。

 

・繁殖は実生、挿し木、株分けによる。挿し木は梅雨時に水揚げしたものを使えば容易にできる。

 

【コバノズイナの種類】

・リトルヘンリー

 紅葉が綺麗で、大きくなりにくい品種。園芸用として数多く流通している。

 

【コバノズイナに似ている木】

・ズイナ

 西日本に分布する落葉低木。若菜を食用にすることからヨメナノキという別名があり、髄を燈心(行燈の芯)に用いたことから「随菜」とされた。葉にプシコースという糖を含み、健康に配慮した甘味料あるいは農薬として注目される。

 

・ヒイラギズイナ

 南西諸島以西に分布する常緑性の品種。

コバノズイナの基本データ

 

【分類】ズイナ科/ズイナ属

    落葉広葉/低木

【漢字】小葉の髄菜/木葉の瑞菜

【別名】アメリカズイナ

    ヒメリョウブ

【学名】Itea virginica

【英名】Virginia sweetspire 

【成長】やや早い

【移植】簡単

【高さ】0.5~2m

【用途】公園/雑木の庭/花材

    盆栽/寄せ植え

【値段】2,000円~

 

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