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ヘチマ/へちま/糸瓜

Luffa/Dishrag gourd/Loofah

へちま,特徴
ヘチマの実は乾燥させてタワシに使う
葉っぱ
ヘチマの葉
蔓,ツル
この巻きヒゲで他物に絡みついて育つ
つぼみ,ツボミ
ヘチマの蕾
へちま,黄色い花
ヘチマの開花は7~9月
糸瓜,開花時期
ヘチマの花
Luffa/Dishrag gourd/Loofah
萼の様子
へちま,花
乾燥が激しいとシワシワに
果実
ヘチマの実
Luffa/Dishrag gourd/Loofah
果皮には縦筋が入る
へちまの実
未熟な果実の先端にはシベの痕が残る
へちま
やがて褐色に熟し
糸瓜
果皮が裂けて種子を巻き落とす
Luffa/Dishrag gourd/Loofah
昔はこうして陰干しした
Luffa/Dishrag gourd/Loofah
繊維の様子

【ヘチマとは】

・熱帯アジアを原産とするウリ科の蔓性一年生草本。花や果実を観賞あるいは実用し、また、日除けのための緑のカーテンとして日本各地で栽培される。

 

・ヘチマが日本に渡来したのは江戸時代のこと。果実に繊維が多いため当初は「イトウリ(糸瓜)」と呼んでいたが、現在の長野県で「トウリ」と略されるようになり、後にヘチマとなった。

 

・「トウリ」がなぜ「ヘチマ」になったのかについて、1775年(安永4年)に刊行された越山吾山の「物類称呼」には、イロハニホヘトでは「ト」が「ヘ」と「チ」の間にあることから、「ヘ」と「チ」の「間(ま)」を意味するヘチマとなったとしている。

 

・葉は手のひら状に浅く分裂し、蔓から互い違いに生じる。蔓は細長く伸び、巻きヒゲで他物に絡みつきながら育つため、日除けを兼ねた棚やネットに這わせて管理することが多い。

 

・蔓を根元から切って得る「ヘチマ水」は、皮膚を滑らかにする化粧水として知られるが、江戸時代にも「美人水」と呼ばれ、大奥でも重宝された。ヘチマ水を採取するには、秋の彼岸の頃の雨上がりに、地上30~40センチの所で蔓を切り、先端を容器に差し込む。

 

・ヘチマの開花は晩夏~初秋で「ヘチマの花」は晩夏の季語。同じ株に雌雄それぞれの花が咲くが自家受粉が可能であり、1本あれば結実する。雄花は複数が集まって咲き、雌花は独立。花の直径は8センチほど。

 

・花の後にできる果実は細長く、放置すれば風に揺られて種子を拡散させるが、熟した段階で果実を水に浸けて果皮や果肉を腐らせ、種子を一緒に洗い流し、残った網状の繊維を乾燥させてタワシやアカスリ、靴の中敷きに使った。

 

・未熟な果実は柔らかな食感と特有の苦みがあり、沖縄や南九州では若葉と共に野菜として食される。ビタミンCとカリウムが含まれており、沖縄ではナーベラーと呼び、味噌煮にして食べる。ただし、苦味の強いものには毒性のククルビタシンが含まれており、中毒症状を引き起こすことがある。

 

【ヘチマに似ている草花】

・ゴーヤ

・ヘビウリ

カラスウリ

ヘチマの基本データ

 

【分 類】ウリ科/ヘチマ属

     つる性一年草 

【漢 字】糸瓜

【別 名】糸瓜(しか)/ナガウリ

【学 名】Luffa aegyptiaca

【英 名】Luffa/Dishrag gourd

     Loofah

【開花期】7~9月

【花の色】黄色

【草 丈】~8m

 

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