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オオモミジ/おおもみじ/大紅葉
Ohmomiji tree(Japanese Maple)
【オオモミジとは】
・北海道~九州の丘陵あるいは山地に見られるムクロジ科の落葉高木。イロハモミジから自然発生した変種で、東日本では太平洋側に、西日本では日本海側に多い。
・葉はイロハモミジより明らかに大きく、長さ7~12センチ、幅7~9センチ程度。7つに裂けるのが基本だが、5~9裂のバリエーションがある。それぞれの裂片は楕円形で、その幅がイロハモミジより広いためヒロハモミジ(広葉モミジ)との別名がある。裂片の先端は尾状に突き出す。
・オオモミジの葉は「単鋸歯」と呼ばれるタイプで、葉の縁には同じ形をしたギザギザが整然と並ぶ。イロハモミジは大きなギザギザのさらにその中に細かなギザギザがある「重鋸歯」タイプであり、より不規則に見える。ただし、個体によっては見分けるの難しい場合もある。
・紅葉が美しく、庭園でも頻繁に利用されているが、個体や環境によっては春の新葉が赤いもの、また、秋に赤くならず、黄葉した後に落葉するものもある。
・オオモミジの開花は4~5月。葉の脇から伸びた花序(花の集り)に、15~30輪が垂れ下がる。地味な花で分かりにくいものの、一つの花序に雄花と両性花が混在する雌雄同株。花弁や萼は5枚で、両性花には8本の雄しべに加えて雌しべが1本ある。
・花の後にできる果実は翼のあるブーメラン型で果皮は硬い。幅は2~3センチほどでイロハモミジに比べると大きく、翼の開き方は狭い。果実は熟すと二つに分かれ、回転しながら落下する。
・樹高は最大15mほど。幹が直立しないものの稀に建築や器具材に使われる。若木の樹皮は緑色だが、樹齢を重ねると灰褐色となり、縦筋が入りやすい。
【オオモミジの育て方のポイント】
・自生は沢や川筋などの水辺であり、植栽は湿気のある日向がベストだが、半日陰にも耐える。
・成長が早く巨木となるが、剪定を好まない。特に夏季の強い剪定は枝枯れを引き起こす可能性が相当高い。また、自然樹形をいかす剪定は難しい。一般家庭での植栽にはイロハモミジより一層広いスペースが必要となる。
【オオモミジの園芸品種】
・オオサカズキ(大盃)
葉が内側に巻いて盃状になる品種。モミジの園芸品種では最も紅葉が美しいとされる。
・イチギョウイン(一行院あるいは一行寺)
葉の形はオオサカズキに似るが、秋に「黄葉」する。箕面(大阪)の名物であるモミジの天婦羅は、この葉を一年以上漬け込んで使う。
新葉が紅紫になる品種で「武蔵野」「野村楓」とも呼ばれる。庭木として広く植栽され、春の芽出しは美しいが秋の紅葉はいま一つ。
オオモミジの変種とされる。
【イロハモミジとオオモミジの違い】
オオモミジは名前のとおり、より大きな葉になるが、大きめのイロハモミジと小さめのオオモミジとなると区別をつけにくい。その場合、既述のとおり葉の縁を見れば見分けられる。
オオモミジの基本データ
【分類】ムクロジ科 カエデ属
落葉広葉 高木
【漢字】大紅葉(おおもみじ)
【別名】タカオモミジ/タカオカエデ
ヒロハモミジ
【学名】Acer amoenum var.amoenum
【英名】Ohmomiji tree(Japanese Maple)
【成長】早い
【移植】普通
【高さ】10m~15m
【用途】公園/庭木/盆栽
【値段】1000円~