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イヌビワ(犬枇杷)

Inu biwa (Japanese fig)

イヌビワの実,味
ビワではなくイチジクに近い味がする(雌木の実) 
イヌビワ,特徴
冬芽はなかなかの存在感がある
犬枇杷,葉っぱ
イヌビワの新葉
イヌビワ,葉っぱ
裏面の様子
犬琵琶,樹木
葉は規則正しく生じる
コイチジク
葉の裏面の様子(成葉)
イヌビワの花,雌雄
「花のう」の様子(雄木)
コイチジクの木
雄の木にできる赤い実にはハチが詰まっている!
イヌビワ 黄葉
黄葉の様子
犬枇杷,紅葉
黄葉期にはやや目立つ
fake fig,little fig
秋が深まれば、実はかなり色づく(雌木)
イヌビワ 実
実は乾燥しきっても長期間、枝に残る(冬の様子)
樹木 イヌビワの木
イヌビワの樹皮は白っぽい

【イヌビワとは】

・関東から九州、沖縄に分布するクワ科イチジク属の落葉低木。温暖な西日本の沿岸部や丘陵に多いが、種子によって容易に増え、公園の植え込みなどでも見られる。日本以外でも東南アジア(韓国、台湾)の山地に生じる。

 

・葉は長さ10~20センチと比較的大きく、黄葉期にはよく目立つ。葉柄も1~4センチほどある。縁にギザギザはなく、先端が急に尖る。

 

・4~5月頃になるとイチジクのように外からは見えない花(「花のう」という)をつけ、その後8~10月には直径2センチ弱の実ができる。

 

・イヌビワは雌雄異株であり、メスの木にできる実は微かに甘味があって生食できるが、小さな種がたくさん入っているため、ジャムにして食べるのが普通。ビワほど美味しくはないという意味でイヌビワと名付けられた。オスの木にできる赤い実は、共生する小蜂の巣になっており食用にならない。

 

・野生動物はイヌビワの実を好んで食べる。平成30年12月に当時の美智子皇后が御自身の誕生日に際し、「陛下が関心をお持ちの狸の好きなイヌビワの木でも御一緒に植えながら」赤坂の御所で余生を過ごしたい旨の文書を発表し、本種が多少注目された。

 

・味はイチジクに似ており、実の形状もビワというよりイチジクに近い。別名をコイチジクという。中国からイチジクが渡来する前は、イヌビワをイチジクと呼んでいたとされる。枝や葉柄を切断するとイチジク同様にベトベトした白い乳液が生じる。

 

・イヌビワは幹が白っぽく、古い枝の跡がブツブツになって残っていることから、落葉期でも比較的見分けやすい。

 

【育て方のポイント】

・日向を好むが、半日陰程度なら耐える。寒さにはやや弱い。

 

・枝葉の出方は平坦であり、樹姿を観賞するような木ではないが、剪定によって樹形を整えることはできる。

 

・イヌビワコバチと共生関係にあり、イヌビワコバチがいない環境では実がならない。

 

・イシガキチョウ(イシガケチョウ)の食樹であり、葉はその幼虫の食害に遭うことがある。

 

・挿し木で増やすことができる。 

 

【イヌビワの品種】

・ホソバイヌビワ(細葉犬琵琶)

 以下の画像のように、イヌビワよりも葉が細い品種で、庭木としてはイヌビワよりも好まれる。なお、ホソバイヌビワとイヌビワの雑種もあるため明確な区別は難しい。

 

・トキワイヌビワ(常葉犬琵琶)

 常緑性のイヌビワで小笠原諸島に固有であるためオガサワライヌビワともいう。近縁のオオトキワイヌビワ(大常磐犬琵琶)は小笠原諸島の山地の岩場に自生し、より葉が大きい。

東御苑のイヌビワ
ホソバイヌビワ(細葉犬枇杷)
犬琵琶の品種
オオトキワイヌビワ(大常磐犬琵琶)

 

【似ている木】

ビワ

 イヌビワはビワよりもはるかに樹皮が白く、葉に光沢がある。実の大きさも異なり、木を見てビワと混同することはない。

イヌビワの基本データ

 

【分類】クワ科 イチジク属

    落葉広葉 低木

【学名】Ficus erecta

【別名】イタビ/イタブ/コイチジク/

    ヤマビワ/カラビワ

【成長】早い

【移植】簡単

【高さ】2m~5m

【用途】公園

【値段】800円~