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アワブキ/あわぶき/泡吹

Awabuki tree

あわぶき,アワブキ,木,特徴
日本全国の道端で普通に見られる木の一つ
アワブキ,あわぶき,樹木
冬芽は特徴的で見分けやすい
あわぶき,木,アワブキ
新芽と蕾の様子
あわぶき,樹木,アワブキ
芽出しの様子
泡吹き,あわぶき,樹木,画像
葉は薄手で、長さ20センチほどと大きくなるのが特徴
アワブキ,木,葉っぱ,あわぶき
葉の裏側の様子
あわぶき,木
夏が近づくにつれて蕾が目立つようになる
アワブキ,開花時期
小さな白い花が集まって大きな花序を作る 開花は夏
あわぶき,樹木
開花期の様子
泡吹き,あわぶき,樹木
こんな感じに咲き誇るが、注目はされない
アワブキの赤い実,画像
実は黄葉前から赤くなる 直径は5ミリ程度
スノキ,アブクタラシ,ツワフキ
こぼれた種子から実生で増える
アブクタラシという木,紅葉
黄葉は目立つが、庭に植えられることは稀
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高さは15m程度に達する
アブクタラシ,あぶくたらし,樹木図鑑
樹皮は紫っぽい灰色 木を燃やすと泡が吹き出す

 

【アワブキとは】

・本州、四国及び九州に分布するアワブキ科アワブキ属の落葉高木。山地や丘陵の落葉樹林内、谷沿いで普通に観察される樹木の一つ。稀に庭木として植栽されることもある。

 

・晩春から初夏にかけて咲く白い花を泡に見立てて「アワブキ」と名付けられたという説と、生木を燃やすと切り口から勢いよく泡が吹き出すため「泡吹き」となったとの説がある。

 

・開花は6~7月で、その年に伸びた枝先に直径3ミリほどの小さな花が円錐形に集まって咲く。5枚ある花弁は淡いクリーム色で、外側の3枚は大きく、内側2枚は小さい。

 

・花後にできる果実は直径5ミリほどの球形。熟すのは秋だが、葉が緑色のうちから赤くなるのが特徴的。

 

・葉は長さ20センチほどの大きな楕円形。裏面は毛で覆われ、隆起した側脈が規則的に並ぶのがのが特徴。葉質は薄く、秋になると透けて見えるような黄葉が美しい。アワブキの葉はアオバセセリとスミナガシという蝶々の食草であり、幼虫が好んで食べることで知られるが、アワブキ自体の数が少ないため、葉裏にはかなりの確率でこれらが潜んでいる。

 

・樹皮は紫がかった灰色で割れや皺が少なく、滑らかな印象を持つ。材は鮮やかな黄褐色になるが、水分が多くて乾燥させにくいことや割れやすいことから、材木としての価値は乏しい。

 

・生垣等に使われるサンゴジュにも「アワブキ」という別名がある。似たような時季にパッと見は似たような花を咲かせるが、両者に直接的な関連はない。

 

【アワブキの育て方のポイント】

・丈夫な性質を持ち、環境を選ばない。

 

・植栽の適地は東北地方南部以西で、日向~半日陰がよい。

 

・樹形は自然に整いやすく、手間はかからない。ただし、成長が早いことや葉が大きすぎることから、狭い場所に植えた場合は、定期的な剪定が欠かせない。芽を出す力は強く、剪定にも十分に耐える。

 

【アワブキの品種】

・フシノハアワブキ

 暖地に自生するアワブキの仲間で、別名をリュウキュウアワブキという。葉はアワブキと全く異なり、小さな葉が複数集まって羽根状になる。花や実の様子はアワブキとほぼ同じ。常緑樹だが、関東以北では冬季に落葉する。この他、日本にはヤマビワ、ナンバンアワブキ、ミヤマハハソなど5種の仲間が存在する。

 

・ヤマビワ 

 伊豆半島以西に分布する近縁種で、葉の形がビワに似る。強靭な材は火を起こす火鑽杵(ひきりぎね)の材料とされ、伊勢神宮などの神事に使われる。果実はビワに似ずアワブキとほぼ同じ感じに。

アワブキの品種,あわぶき
フシノハアワブキ
ふしのはあわぶき,特徴
フシノハアワブキの開花

 

【アワブキに似ている木】

 

トチノキ

 まったく関係のない木だが、葉の大きさや紅葉の様子がアワブキに似る。ホオノキも同様。

 

ナンテン 

 背丈は異なるが、同じ時期に似たような花を咲かせる。

 

ヌルデ 

 花の時期や色形はやや異なるが、アワブキと同じように道路沿いの藪で目にする機会が多く、紅葉が目立つ。アワブキとは存在感が似ている。

アワブキの基本データ

 

【分類】アワブキ科/アワブキ属

     落葉広葉/低木

【漢字】泡吹(あわぶき)

【別名】スノキ/アブクタラシ

    ツワフキ

【学名】Meliosma myriantha

【英名】Awabuki tree

【成長】早い

【移植】簡単

【高さ】5m~15m

【用途】雑木

【値段】2000円~

 

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