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オガタマノキ/おがたまのき/小賀玉木
Japanese Banana bush
【オガタマノキとは】
・本州南部(関東以西)からフィリピンにかけて分布するモクレン科の常緑樹。暖地の山地に育ち、日本で見られるモクレンの仲間では唯一の常緑性となる。かつては床材、床柱及び家具材として使われたが、移植や繁殖が難しいため現在では庭木としての流通もほとんどない。
・古来から神聖視され、神社仏閣では御神木とされることが多い。葉を神前に供え、心霊を招くために使われたことから「招霊(オキタマ)」、これが転じてオガタマノキと名付けられた(諸説あり)。
・葉は長さ8~14センチの長楕円形で表面には光沢がある。裏面には細かな毛が多く、白っぽく見える。
・樹形は壮大で半球形になる。葉も長さ10センチほどと大きい。
・3月下旬~4月上旬に咲くクリーム色の花は直径2~3センチほどで花弁の元は紅になる。モクレンやコブシよりも小さい。また、枝葉に隠れるように1輪ずつ開花するため、あまり目立たない。芳香が強いとする書物もあるが、近縁種カラタネオガタマほどの強い香りはない(個体差あり)。
・10月頃になると画像のような実ができる。長さは5~10センチほど。種子は赤くてよく目立つが熟して落下するころには黒くなる。
【育て方のポイント】
・日向を好むが半日蔭でも育つ。ただし暖地の生まれであり、寒さには弱く、関東以北では育てるのが難しい。茨城県南が北限とされる。
・繁殖、移植ともに困難。
・成長が早めで大木となるが、剪定や移植には弱い。一般家庭にはカラタネオガタマが向く。
【品種】
・ホソバオガタマノキ(細葉)、ヒロハオガタマノキ(広葉)
国産オガタマノキの変種で文字通り、葉が微妙に異なる。
・四季咲きオガタマ
春と秋の年二回、開花する。
・キンコウボク、ギンコウボク
台湾で庭木として使われる。寒さに弱く、日本での露地植えは難しい。
・ウンナン(雲南)オガタマノキ
中国雲南省を原産地とする種類で、より大きな花を咲かせる。樹高が4m程度にしかならない。
【似ている木】
・ミケリア
同じ中国産の常緑モクレン
・カラタネオガタマ(=トウオガタマ、バナナノキ)
オガタマノキほど大きくならず、花も小さいが、香りが強く、一般家庭向き。カラタネオガタマをオガタマノキと呼んでいる例も多い。
・葉の感じが似ている木には以下のようなものがある。
オガタマノキの基本データ
【分類】モクレン科 オガタマノキ属
常緑広葉 高木
【学名】Michelia compressa
【別名】トキワコブシ/オガタマ/
ダイシコウ
【成長】やや早い
【移植】難しい
【高さ】10m~15m
【用途】公園/神社
【値段】1500円~