アコウ/あこう/赤榕

漢字表記:赤榕/雀榕(あこう)

別  名:アコギ/アコミズキ/アコノキ

     アカウ/タコノキ/ウスキ/オホギ

学  名:Ficus superba var. japonica

英  名:Sea fig

あこうの木
地面に張り出した根が亜熱帯の景観を作る(宮崎県庁)
アコウの木,若葉
新葉の様子
あこう,樹木
葉は肉厚で光沢 縁はやや波打つがギザギザはない
あこう,植物
裏面の様子
あこう,植物,樹木
アコウの枝葉の様子
あこう,葉がない
アコウは常緑樹だが、気まぐれに落葉する
Sea fig,tree
樹高よりも横幅が大きくなることが多い
akou,ki
気根の様子
Sea fig,flower
アコウの花は、この中に咲く
akoh tree
実の直径は1センチほど
あこうの木
アコウの気根はガジュマルのような柱状にならず、幹に沿う

【アコウとは】

・紀伊半島、四国、九州及び沖縄の沿海部に見られるイチジクの仲間。幹を伝うヒゲのような気根や、露出した根が入り乱れる姿が特徴的であり、高知県土佐清水市や鹿児島県西之表市など、本種を市町村の木に指定しているところもある。日本以外では中国南部沿岸や東南アジアの各地に分布。

 

・赤い小さな果実を「赤子(和歌山や高知の方言でアコ」に見立ててアコウと呼ばれる。漢字表記は「赤榕」及び「雀榕」で、「榕樹」と記す場合はクワ科の常緑樹全般あるいはガジュマルを表す。つまり「赤榕」は、赤い実がなる榕(ガジュマル)で、「雀榕」はスズメのように花や実が連なるガジュマルという意味。

 

・葉は楕円形で分厚く、表面には光沢があり、葉脈が目立つ。長めの葉柄を含めた葉全体の長さは8~20センチ、幅は8センチほどで、雰囲気はガジュマルに似るがより大きく、葉柄も長い。葉は枝から互い違いに生じ、小枝を傷つけるとイチジクと同じように乳液が生じる。

 

・アコウは常緑樹だが、1年に1回以上、一斉に葉を入れ替える性質があり、葉が全くない時季に目にすると落葉樹のように見える。新芽は紅色で紅葉のように美しい。乾燥させた葉を焼くと良い香りがあり、「沈香木」との別名がある。

 

・開花は5月頃だが環境によっては不定期となる。花は花らしくないばかりか表には見えず、太い枝や幹に突然できる「花のう」の中にひっそりと咲く。雌雄異株であり、雌の木には雌花を、雄の木には雄花を咲かせ、イチジクコバチが花のうの口部を出入りすることで交配する。

 

・花のうは8月頃になると淡いピンク色に熟し、直径1~1.5センチほどの「果のう」となる。果のうは生食でき、野生動物に食べられた果のうが他の木の上に散布されると、そこから芽を出し、やがて気根が発生して寄生した木を絞め殺すかのように見える。このためアコウはガジュマルと共に「絞め殺しの木」と呼ばれる。

 

・樹皮は灰白色で滑らか。樹齢は数百年を超えるものもあり、幹の直径は1m以上になることも。材は器具材として使われる。

 

【アコウの育て方のポイント】

・暖地に生育する樹木であり、自生地以外での露地植えは難しい。いわゆる観葉植物としての扱いになる。

 

・樹高の割に枝張り(横幅)が大きく(最大10~20m)、木陰を作るために街路樹として用いられる。奄美大島や屋久島では防潮林、防風林、生垣として使っているが、狭い場所に植えるような木ではない。

 

・上述のとおり一斉に葉を入れ替える性質を持ち、枯れたように見える時季がある。暖地では年2回以上で、突然に葉を落とすこともある。

 

・開花や実が成る時期には個体差がある。

 

【アコウに似ている木】

ガジュマル

 アコウよりも温暖な地を好む。ガジュマルの葉柄は最短で1センチほどだが、アコウのそれは4センチほど。葉柄の長さで両者を区別できる。また、アコウの気根は幹から生じるが、ガジュマルは幹と枝から垂れ下がる。

 

イヌビワ、オオイタビ

 アコウと同じような実ができるイチジクの仲間

アコウの基本データ

 

【分類】クワ科 イチジク属

    常緑広葉 高木

【成長】やや早い

【移植】簡単

【高さ】10m~20m

【用途】街路樹/生垣/観葉植物

【値段】20,000円~