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ムベ/むべ/郁子
Japanese staunton-vine
【ムベとは】
・別名「トキワアケビ」のとおり常緑性のアケビ。暖地性であり関東地方以西の原野や山間に分布するが、温暖化とともに東北地方あたりでも育てることができるようになってきた。朝鮮半島や中国にも自生が見られる。
・果実は長さ5~8センチで雰囲気はアケビに似ており、紫色に熟すが、アケビのように自然に割れないため、実のなっている期間が長い。
・種子が多くて食べるところが少ないため、現代人にとっては魅力に乏しい。しかし、大昔は貴重な山の幸であり、砂糖が輸入される前は代表的な甘味料として重宝され、朝廷に献上されることもあった。
・とはいえ味の方はあまり特徴がなく、多少の甘みがある程度。種ごと頬張ってわずかな果肉と果汁をいただくのが一般的な食べ方。
・葉は5~7枚の小葉が集まってできる。小葉は楕円形で長さは6~10センチほど。
・開花は4~5月。雌雄同株で、雄花は3~6輪が集まって咲き、より大きな雌花は数が少ない、花はクリーム色で内部に暗い赤紫色の模様が入る。
【ムベの育て方のポイント】
・日当たりと水はけの良い場所を好む。植え穴に腐葉土などを入れておくのがよい。
・雌雄同種だが、実を付けさせるには強度の剪定を行って開花を促すなどのコツがいる。二株以上を一緒に植えるのが手っ取り早い。
・つる性であるため、フェンスに這わせたり、棚を作って管理するのが一般的な方法。つるの成長は早く、年間に1m以上伸びる。麻縄やシュロ縄で誘引して、つるが四方に拡散しないようにする。
ムベの基本データ
【分類】アケビ科 ムベ属
常緑広葉 つる性
【別名】トキワアケビ/ウベ
【学名】Stauntonia hexaphylla
【成長】かなり早い
【移植】難しい
【長さ】15m以上
【用途】フェンス/棚/食用/盆栽
【値段】1000円~
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