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ノウゼンカズラ/のうぜんかずら
Trumpet Flower
【ノウゼンカズラとは】
・夏を彩る代表的な蔓性植物だが原産地は中国で、西暦900年代(延喜年間)に日本へ渡来した。蔓の節から気根を発生して壁面や他の樹木に絡みつく性質を持つ。このため農家の庭先や神社仏閣では枯れた大木を覆うように上空まで繁茂し、まるでそこに「オレンジ色の花を咲かせる大木」があるかのように振舞うことがある。一般的にはフジやブドウなどのように、棚を作って鑑賞する。
・花期は6月から8月で、晴天が続くとよく開花し、曇天では咲きにくい。
・ノウゼンカズラという名前は、他を凌駕して空を覆うほどに育つことを意味する中国名「ノウセウ(凌霽)」に由来する。カズラは「蔓性植物」を意味する。
・漢方では花を利尿薬に使う。ただし、毒性があり、花の中に溜まった水が目に入ると失明するとさえいわれる。
【育て方のポイント】
・日当たりの良い場所であれは長期にわたって花を咲かせる。
・日陰では花つきが悪いばかりか、カイガラムシ等の被害にも遭う。
・湿気があり、かつ、水はけの良い場所が望ましい。
・寒さを苦手とする暖地性であり、北海道や東北地方での栽培は難しい。
・若木のうちは開花しにくく、直径3センチを越えるころからよく咲くようになる。一方、株が繁茂し過ぎても花付きが悪くなる。一般家庭では邪魔になりがちであるため、数年に一度、冬期に小枝をすべて取り除き、幹だけにするような強めの剪定を行う。ちなみに幹の直径は10センチ程度にまで達する。
・花は上向きに咲くため、棚を作る場合は花が視線よりも下に来るよう、低めに作る。
【ノウゼンカズラの品種】
・アメリカノウゼンカヅラ
花の色は同じだが、形状はより細長く、本種と比べると明らかに小さい。このため「コノウゼンカズラ」という別名がある。このほかに「ヒメノウゼンカズラ」や「キバナノウゼンカズラ」という品種がある。
・ピンクノウゼンカズラ
文字どおりピンクの花を咲かせるものだが、本種とは別属(ポドラネア属)。
ノウゼンカズラの基本データ
【分類】ノウゼンカズラ科 ノウゼンカズラ属
落葉つる性広葉中木
【学名】Campsis chinensis
【別名】ノウゼン
【成長】かなり早い
【移植】簡単だが、掘り起こすのが難儀なため、挿し木で増やすのが一般的である。
【高さ】5m~10m
【用途】公園/棚
【値段】1200円~