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テイカカズラ/ていかかずら/定家葛
Yellow star jasmine
【テイカカズラとは】
・本州、四国及び九州に分布する常緑のつる性植物。朝鮮半島に見られるチョウセンテイカカヅラが基本種と考えられている。日本では園芸品種ハツユキカズラの原種として知られる。
・木が若いうちは地上を這うように生育するが、隙を見て適当な木や岩を見付け、「付着根」を使って上方に伸びるという性質を持つ。
・5~6月に咲く花は直径3センチほどで強い香りがあり、扇風機の羽根のように少し捻じれて咲くのが特徴。かつてはこの香りを楽しむために植えられることが多かった。
・10月頃に成熟する実は袋状で、長さは20センチほどになる。
・名前から連想されるとおり藤原定家にちなんだエピソード(藤原定家の死後、彼を愛した女性が葛に姿を変え、その墓にまとわりついた~謡曲「定家」から)もあるが、テイカは「定家」ではなく「庭下」であり、庭の下の方に咲く葛の花を意味するという説の方が有力視されている。
【育て方のポイント】
・寒さに強く、北海道でも南部であれば植栽できる。
・土質は問わず生育は旺盛であるため、他のつる性植物と同様にフェンスや棚に絡ませて楽しむのが基本だが、上述の性質を利用し、あえて地面を這わせ、グランドカバーとして使うこともある。なお、付着根の吸着力はそれほど強くないため、壁面緑化には向かない。
・剪定によく耐えるため、強めの剪定を繰り返して木のように自立させ、盆栽などの鉢物に使うこともできる。
【テイカカズラの品種】
・ハツユキカズラ
葉に白い模様が入った品種で、寒気に触れると白い部分が鮮やかな紅色になる。テイカカズラよりもはるかに普及している。このほか、ニシキテイカカズラ(画像)、オウゴンニシキなどの種類がある。
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初雪カズラ ハツユキカズラ 白ピンクに染まる新芽が美しいリーフ植物 初雪カヅラ ハツユキカズラ苗 ハツユキカヅラ 植物 グリーン
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テイカカズラの基本データ
【分類】キョウチクトウ科 テイカカズラ属
常緑つる性広葉中木
【学名】Trachelospermum asiaticum
【別名】マサキノカズラ/チョウジカズラ
【成長】やや遅い
【移植】簡単だが、掘り起こすのが難儀なため、挿し木で増やすのが一般的である。
【高さ】5m~10m
【用途】フェンス/グランドカバー/盆栽
【値段】1200円~