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ドクダミ/どくだみ/蕺菜

どくだみ,花,画像
ドクダミの開花は5~7月 花言葉は「白い追憶」など
十薬,植物
ドクダミの新芽
どくだみ,草
新葉の様子
春の様子
春のドクダミは葉脈や葉の裏が赤紫
どくだみ,草
日向に向かって行儀よく並ぶ
十薬,ツボミ
葉の赤みが抜けると蕾が見られるように
dokudami
ドクダミの花、蕾、葉
雌雄
この部分が本当の花で、雌しべと雄しべからなる
花弁が5枚のドクダミ
たいていのドクダミは白い苞が4枚だが、中には5枚あるラッキードクダミも
ドクダミ茶,爽健美茶,どくだみ
葉を揉むと爽健美茶の香りがする
dokudami
葉の裏面
果実
実の様子
chameleon plant
種子が抜け落ちた果穂
白い花が咲く雑草
晩秋にはこんな感じに朽ちるが・・・
どくだみ.草むしり
繁殖力が高く、その管理は難しい

【ドクダミとは】

・北海道北部を除く日本全国に自生するドクダミ科ドクダミ属(一属一種)の多年草。低山の山裾や谷筋の木陰、道端や住宅の庭など、日陰であれば至るところに群生する。

 

・ドクダミはその強烈な臭いと旺盛な繁殖力を特徴とするが、草全体に薬効があり、水虫、やけど、にきび、湿疹など日常的な傷病に用いる薬草となる。一般家庭にドクダミが多いのはその名残。日本以外でも中国南部、インドネシアなどの東アジアに広く分布。漢名は「蕺薬(しゅうやく)」。

 

・ドクダミという名の由来には諸説あるが、毒でも溜まっているかのような特異な香りがあることを意味する「毒溜め」を由来とする説や、薬草として毒にも痛みにも効く「毒痛み」に由来するという説が知られる。

 

・別名は「ジュウヤク(十薬)」で、ドクダミが持つ薬効や抗菌作用に由来し、「十の薬効を持つ」、「十の毒を消す」あるいは「重要な薬草」などを語源とするというが、単に中国名の蕺薬(しゅうやく)が転訛したものとする説もある。いずれにせよドクダミはセンブリゲンノショウコと並ぶ代表的な日本の薬草で、「イシャゴロシ(医者殺し)」や「スイダシグサ(吸出草)」といった呼び名もある。

 

・ドクダミは地下に円柱形の柔らな白い根茎を持ち、これが縦横無尽に広がって大きな群れを作る。加えて後述の種子による繁殖もあるため、わざわざ庭に植えるような代物ではないが、他の庭木の根土などに紛れて意図せず庭へ侵入することが多い。厄介者扱いされがちだが、地下茎を細かく切って水に一晩さらせば、油炒めや煮物に使用できる。

 

・赤紫色を帯びた茎は根から直立し、長さ20~50センチほどになる。葉は茎から互い違いに生じるが、環境によってまばらになる。やや多肉質で先端が尖り、ハート型。新葉の裏面や葉の縁は赤みを帯びる。

 

・ドクダミの葉の香りは個性的であり好みが分かれるが、加熱あるいは乾燥すると消滅するため、ドクダミ茶や天婦羅(新葉のみ)として飲食できる。ドクダミ茶は血液をきれいにし、胃腸の病や高血圧を予防するとして愛用される。

 

・ドクダミの開花は5~7月で、同じころに咲くソバと似て非なることから「ジゴクソバ(地獄蕎麦)」という別名がある。花弁のように見える白いものは葉が変形した「苞(総苞片)」であり花弁ではない。本当の花は長さ1~3センチほどの穂状に屹立した薄黄色の部分で、花弁はない。

 

・花は1本の雌シベとそれを取り囲む3本の不完全な雄シベからなる。ドクダミは進化の遅れた植物であり、受粉せずに結実し、薄茶色の微細な種子を作る。ドクダミの花は稀に生け花に使われるが、独特の香りによって敬遠されるのが普通である。

 

【ドクダミの品種】

・ヤエドクダミ

 白い苞が幾重にもなって花穂に連なる品種

品種,種類
八重の花が咲くヤエドクダミ

 

【ドクダミに似ている草花】

 

ハンゲショウ

 

ツルドクダミ

 ドクダミに葉が似るタデ科の多年草。江戸時代に滋養強壮薬として渡来したものが野生化した。漢方名は何首烏(かしゅう)

つるどくだみ
ツルドクダミ

ドクダミの基本データ

 

【分 類】ドクダミ科/ドクダミ属

     多年草

【漢 字】蕺菜

【別 名】ジュウヤク(十薬)

     イシャゴロシ(医者殺し)

     スイダシグサ(吸出草)

     ジゴクソバ(地獄蕎麦)

【学 名】Houttuynia cordata

【英 名】Lizard tail/Fish Mint

     Heart-leaved houttuynia     

     Chameleon plant

【開花期】5~7月

【花の色】─ クリーム色(白いのは花ではなく「苞」)

【草 丈】~50cm

 

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