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イロハモミジ/いろはもみじ/伊呂波紅葉

Japanese maple

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紅葉といえばイロハモミジ
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冬芽は紅褐色の卵形 二つずつ並ぶ
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芽出しの様子
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新葉の展開と同時に開花する
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「楓の花」は晩春の季語 
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花には雄花と両性花がある(画像中央右は雄花)
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両性花(中央左)と雄花(中央右)
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開花期の様子
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花が進むと両性花は小さなプロペラ状になる
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若い果実の様子
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始めのうちは部分的に赤く色付くが
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くすんだ緑色になった後、褐色に熟す 
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紅葉だけでなく新緑も美しい
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イロハモミジは和風庭園の定番の一つ
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成葉は直径3~7センチ
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裏面の様子
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垣根にされることもあるが・・・
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自然な姿が美しい
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紅葉の仕方は環境、気候、個体によって様々
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普通は緑→黄色→赤へと進む
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紅葉期の様子
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紅葉期の様子
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モミジの中では葉が小さい
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翼果は翌春まで枝に残ることも
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成長は早く、巨木も多い

イロハモミジとは

 

 

 

・福島県以西の本州、四国及び九州に分布するムクロジ科カエデ属の落葉広葉樹。山地から平地にかけて広く自生し、繁殖力が高いため暖地であれば里山の林内、水辺などにも育つ。

 

 

 

・日本には30種ほどのカエデが自生するが、細かな葉が綺麗に紅葉するため、本種はオオモミジヤマモミジと並んでカエデを代表し、最も普通に公園や庭園に植栽される。日本の秋を象徴する木となっているが、中国南部、台湾及び朝鮮半島の山地でも普通に見られる。

 

 

 

・本項ではより一般的なイロハモミジを見出しとしているが、正式な和名はイロハカエデ。「モミジ」という言葉は、物に色が付くことを意味する古語「もみつ」が変化したもの、あるいはベニバナから紅色を採り出す作業「揉出(もみず)」を名詞化したもので、秋に色付く樹木全般を示した。また、「カエデ」は「蛙手」で、葉の形をカエルの手に見立てたもの。葉は枝から対になって生じる。

 

 

 

・別名のタカオモミジは紅葉の名所として知られた京都西北部の高雄山に由来。本種とオオモミジを併せてタカオモミジ(カエデ)と呼ぶこともある。イロハモミジは枝葉に変異が多く、古くから数多くの園芸品種が作り出され、その数は200を超えるとされる。

 

 

 

・イロハモミジの若葉は5つ、成葉は7~9つに裂け、最も外側の裂片が小さくなのが普通。7つに裂けた裂片を順に数えると、丁度イロハニホヘトの7文字に合致することを面白がってイロハモミジ(あるいはイロハカエデ)と呼ばれるようになった。

 

 

 

・葉は秋に色付くが、環境や個体によって赤、橙、黄と微妙に異なった色合いになる。

 

 

 

・柄を除いた葉の直径は3~7センチほどで、枝から対になって生じる。自生のモミジでは最も葉が小さいため、別名をコハモミジという。葉の先端は尖り、縁には不規則なギザギザが二重にあり、裏面の葉脈の基部には細かな毛を生じるが、成葉では脱落する。

 

 

 

・あまり話題にならないが春の芽出しと共に4~5月にかけて深紅の小花が垂れ下がって咲く。雌雄同株で、同じ花序(花の集り)に雄花と両性花が20輪ほど混ざって枝先に垂れ下がる。

 

 

 

・花の直径は5ミリほどで花弁と萼は5枚、雄しべは8本ある。両性花では扁平した子房と退化した小さな雄しべがあり、雄花には長い雄しべと退化した小さな雌しべがある。花柄や葉柄に毛がないのもイロハモミジの特徴。

 

 

 

・花の後には長さ1~2センチの果実ができる。でき始めの果実は深緑だが、夏に熟して赤くなり、プロペラのような翼が目立つようになる。翼はよく似たオオモミジよりも大きく開き、秋には2個に分離し、それぞれが回転しながら風に乗って飛んでいくが、いくつかの翼果は葉が落ちた後も枝に残る。

 

 

 

・若い木の樹皮は緑色で樹齢を重ねると淡い灰褐色になり、縦に浅い割れ目ができる。欧米のカエデ類に比べると樹皮が滑らかなのが大きな特徴の一つ。樹高は最大15mほどだが稀に30mに達するものがある。幹は曲がりが多いものの、建材や器具材として使うこともある。幹の直径は最大1mほど。

 

 

 

・人名に多用される「楓」は本種をイメージしていると思われるが、中国語としての「楓」はフウ(タイワンフウ)を示す。また、盆栽の世界ではイロハモミジを「ヤマモミジ」と呼ぶことがあるものの、本来のヤマモミジは本種と異なる。

 

 

 

イロハモミジの品種

 

 

 

 

 江戸末期から明治初期にかけて盛んに園芸品種が作られ、最盛期には数百の園芸品種があったとされるが、原種や系統の不明なものが多い。主な品種は以下のとおり。 

 

 

 

・高雄

 正式な品種ではないが、葉形と紅葉が特に美しい個体を江戸時代から「高雄」と呼び、各地にその名残がある。

 

 

 

・赤地錦(青崖) 

 新芽の紅色が鮮やかな品種。横幅が大きくならず、上へ伸びる。

 

 

 

・千染(ちしお)

 これも新芽の紅色が美しい品種だが、枝が横に張る。

 

 

 

・織殿錦(おりどのにしき)

 葉に斑模様が入る品種。新葉の斑は黄色、成葉では紅色になる。

 

 

 

・清姫(きよひめ)

 葉が小さく、樹形が野趣に富む盆栽用の品種

 

 

 

イロハモミジに似ている木

 

 

 

 

【イロハモミジに似ている木】

 

 

 

オオモミジ

 

 

 

ヤマモミジ

 

 

 

ベニシダレ(紅枝垂れ)

 

 

 

アオシダレ(青枝垂れ)

 

 

 

 

イロハモミジの育て方のポイント

 

 

 

・紅葉が綺麗な木として人気であり、知名度も高いため安易に植栽しがちだが、乾燥を嫌う木であり、街中の乾いた住宅地に植え、夏の強烈な日差しに曝し続けると数年で樹勢が衰えて枯れる可能性が高い。

 

 

 

・このため植栽するのは湿気のある場所が望ましいが、日差しが弱すぎると枝葉は間延びして見栄えが悪くなり、また、せっかくの紅葉もイマイチになることが多い。つまり、ほどほどに日の当たる湿気の多い場所が植栽地としては望ましく、大木や建物で午後の日差しを遮られるような所が最適。

 

 

 

・植栽後の管理については、剪定以外にそれほど手間がかからないが、休眠期(12月頃)に油粕などの有機肥料を株元に与えると成長が安定する。

 

 

 

 

イロハモミジの剪定とその時期

 

 

  

・見た目のしなやかさとは裏腹に成長が早く、関東地方の平地では実生(種子から育てたもの)でも、4~5年で150センチほどになる。その後も若い枝葉の伸長は著しく、放置すれば鬱蒼としやすい。

 

 

 

・しかし、基本的には剪定を好まず、特に夏季の強い剪定は枝枯れを引き起こす可能性が高い。また、自然樹形をいかす剪定は難しいため、そもそも一般家庭での植栽には広いスペースが必要となる。

 

 

 

・職人の間ではモミジの仲間は「金物を嫌う」と言われている。科学的な真偽はともかく、管理人の経験上、枝が柔らかなうちにハサミやノコギリを使わず、手で千切ると良好な樹形を保つことができる。ただし、指よりも太い枝を切る場合は、剪定の時期に注意する必要がある。

 

 

 

・自分で剪定すればすぐに分かるが、モミジの仲間は水揚げが盛んであり、温暖な時季に太い枝を剪定するとその断面が濡れている。これを放置すると養分を含んだ樹液が切り口から流れ出し、木全体が乾燥して樹勢を衰えさせるばかりか、樹液に害虫が集まって被害を受ける原因となる。

 

 

 

・イロハカエデの剪定の適期は地域にもよるが、10月中旬~12月中旬で落葉直後が望ましく、これを逃すと再び水揚げが始まって、枯れを招く。ただしパキパキを折れるような細枝の場合、この限りではない。

 

 

 

・多くの木は上から順に剪定するが、カエデ類は株元からの自然な曲線を意識した方が柔らかな仕上がりになるため、下枝から順に剪定した方がよい場合もある。また、枝先はできるだけ切り詰めない方がよい。

 

 

 

・垣根として使うケースもあるが、イロハモミジを始めとしたカエデ類は成長が早く、すぐに形が乱れて長続きはしない。強引に四角くまとめても、数年でゴツゴツした垣根になってみっともない状態になる。

 

 

 

 

イロハモミジが枯れる原因

 

 

 

・枯れる原因の第一位は、上記のように剪定の時期を考えなかったことであり、特に夏の剪定は厳禁。伐採したいのであれば話は別であるが。

 

 

 

・近年の酷暑も大敵であり、強い日差しが枯れの原因になるため、特に夏場は水を切らさないように管理する必要がある。

 

 

 

・害虫による被害も多く、環境によっては数十種の害虫がやってくるが、特に春先の新芽につく、小さな赤褐色のアブラムシ(モミジニタイケアブラムシ)や、樹皮にへばりついて養分を奪うカイガラムシ(モミジワタカイガラムシ)は農薬や木酢液を使用して駆除した方がよい。

 

 

 

・株元から侵入するカミキリムシによる食害も、イロハモミジが枯れる原因となる。カミキリムシが入っている場合は、4~6月になると株元に木屑と共に糞があるため、農薬を使って駆除した方がよい。また、若い木の場合は樹皮に食害の跡があるため、これも発見の手掛かりとなる。

 

 

 

イロハモミジの基本データ

 

【分類】ムクロジ科/カエデ属

    落葉広葉/高木

【漢字】伊呂波紅葉(いろはもみじ)

【別名】カエデ/モミジ/イロハカエデ

    タカオカエデ/タカオモミジ

    コハモミジ/テナライモミジ 

【学名】Acer palmatum 

【英名】Japanese maple

【成長】早い 

【移植】簡単 

【高さ】5m~15m 

【用途】和風庭園/公園/盆栽 

【値段】500円~

 

 

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