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イヌシデ/いぬしで/犬四手・犬紙垂
Chonowski's hornbeam
【イヌシデとは】
・イヌシデは、いわゆる「ソロ」と呼ばれる植木の一つ。北海道と沖縄を除く日本全国の野山で普通に見られる木であり、元来は庭に用いるような木とは考えられていなかったが、その優美な樹形から、雑木の庭の流行とともに使われる機会が増えてきた。
・「シデ」は注連縄や玉串に垂らす紙片のこと。花穂がこれに似るためアカシデやクマシデと共にシデと呼ばれるが、シデの中でもこれといった特徴がないことから、「劣る」を意味するイヌを冠して「イヌシデ」となった。とはいえ、成長とともに曲がりくねる幹は、根元付近が窪んだり、縞模様になったりと味わい深い。
・開花期は春先で、垂れ下がる「シデ」は雄花の穂。
・東京と栃木には枝が垂れる「シダレイヌシデ」が自生する。
【育て方のポイント】
・日当たりの良い場所であれば、土質を選ばずに育つ。
・成長が早い。
・病害虫に強い。
・自然な枝振りが美しいため、手入れは難しいものの、芽を出す力が強く、剪定には耐える。
【シデの見分け方】
・イヌシデとアカシデの見分け方
幹は似ているが、イヌシデの方が葉は大きい。またアカシデは葉柄を含めて木全体が多少赤みを帯びているが、イヌシデは緑色~褐色で色には特徴がない。イヌシデを「シロソロ」、アカシデを「アカソロ」と呼んで区別することもある。また、イヌシデは若い枝葉に毛が多いが、アカシデにはない。毛があるためイヌシデとなったとする説もある(同様のことはイヌブナとブナの関係にも見られる。)。
・イヌシデとクマシデの見分け方
クマシデの方が、葉脈が多く、葉が全体にゴワゴワとした印象を持つ。
イヌシデの基本データ
【分類】カバノキ科 クマシデ属
落葉広葉樹
【学名】Carpinus tschonoskii Max.
【別名】ソロ/シロシデ/ソネ
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】12m~15m
【用途】公園/雑木の庭/盆栽
【値段】800円~