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イヌエンジュ/いぬえんじゅ/犬槐
Amur-Macclie
【イヌエンジュとは】
・北海道及び本州の中部地方以北を原産とするマメ科の落葉樹。庭木よりも材木としての利用が多く、エンジュとして出回る材木のほとんどは本種であるが、植物学上のエンジュとは異なる。自生は山地の川原や湿原などに多く、朝鮮半島にも分布する。
・春の芽出しの時期には、毛の密生する若葉がメタリックな輝きを放ち、遠くからでも識別できるほど目立つ。葉は長さ4~8センチほどの小葉が7~15枚ほど集まって羽根状の大きな葉を作る。
・開花は7~8月で、蝶のような形をしたクリーム色の花が、房状にびっしりと咲き、秋にはマメ科らしく豆ができる。
・直径は最大で60センチほどになり、樹齢を重ねると樹皮には菱形の模様が入る。材は中心部(薄茶色)と周辺部(クリーム色)の色味がはっきりと異なるツートンで、国産材としては珍しい。堅くて割れにくく手斧の柄や床柱、家具、器具、彫刻、木工芸品、薪炭などに使われる。
・アイヌではこの木を墓の目印に使ったという。また、北海道でエンジュという場合、本種を表すことが多い。
【育て方のポイント】
・日本の山地に自生する木であり育てやすい。
・日当たりがよく水はけの良い場所を好む。半日陰程度なら耐える。
・一般家庭に植えた場合は、大きくなり過ぎないよう芯を止めて高さを維持する必要がある。
【イヌエンジュに似ている木】
・エンジュ
イヌエンジュの実(豆)はサヤ状にできる。これに対しエンジュは数珠のように一粒一粒がはっきりしている。また、エンジュの樹皮は縦に裂け目が入ってボコボコしているが、イヌエンジュの樹皮は平面的で、菱形の模様が入る。
ハリエンジュはその名が示すように枝に棘があり、花はブドウのように垂れ下がって良い香りがする。また、イヌエンジュの葉の先端は少し尖るが、ハリエンジュの葉は窪んでいる。
イヌエンジュの基本データ
【分類】マメ科 イヌエンジュ属
落葉広葉 高木・小高木
【学名】Maackia amurensis
var.buergeri
【別名】オオエンジュ/クロエンジュ
エンジュ/チクペニ
【成長】早い
【移植】ふつう
【高さ】9m~20m
【用途】公園/街路樹
【値段】500円~