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アカシデ/あかしで/赤四手
Japanese loose-flowered Hornbeam
【アカシデとは】
・北海道から九州まで、日本全国の山地に分布する落葉樹。特に関東地方の雑木林ではイヌシデと共に普通に見られる。朝鮮半島や中国にも自生する。
・別名を「アカソロ」という。ソロと呼ばれる木は他に、イヌシデ、クマシデがあるが、それらに比べて小ぶりであり、新芽が赤く、幹、葉を始めとした木全体も赤みを帯びることから、アカシデ、赤芽シデ、赤目シデなどとも呼ばれるようになった。
・葉は枝から互い違いに生じ、卵状の楕円形になる。秋に黄葉するが画像のように赤みがある。一年を通じて木全体に赤味があって美しいが、特に新緑と秋の紅葉は観賞価値がある。
・長く垂れ下がる雄花が紙垂(=シデ:注連縄や玉串につけて垂らす紙)に似ていることから~シデと呼ばれる。花期は3~5月で、開花と共に新葉が展開し始める。
・ケヤキに似た箒状に育つが、ケヤキほど大きくならないため、小スペースで雑木林の野趣を演出したいときに用いられる。
・樹皮はなめらかで、縦筋の模様はあるが裂け目などはできにくい。アカシデの材は淡い黄色あるいは灰白色で、堅さと美しさを兼ね備えているが加工しにくい。稀に楽器(ピアノ)、家具、器具、床柱などに利用される。
【育て方のポイント】
・明るく、やや乾燥した場所を好む。
・病害虫が少ない。
・自然樹形に観賞価値があるため、人工的に剪定するのは不向き。樹形は剪定しなくても整いやすいため初心者に向いている。
【アカシデの品種】
・枝が枝垂れる「シダレアカシデ」がある。東京都西多摩郡日の出町にある幸神神社のシダレアカシデは樹齢700年を超え、天然記念物に指定される。
【イヌシデとアカシデの見分け方】
幹は似ているが、アカシデの葉はより小さく、葉柄を含めて赤みを帯びているのが最大の特徴。盆栽の世界ではシデを「ソロ」と呼ぶこともあるが、イヌシデを「シロソロ」、アカシデを「アカソロ」と呼んで区別することもある。また、イヌシデの葉にはたくさんの毛があることも大きな違い。シデの仲間は既述の他、サワシバがある。

アカシデの基本データ
【分類】カバノキ科/クマシデ属
落葉広葉/高木
【学名】Carpinus laxitflora
【別名】ソロ/ソロノキ/アカソロ
シデノキ/コソネ
アカメゾロ
漢字表記は「赤四手」「赤幣」
【成長】早い
【移植】ふつう
【高さ】10m~15m
【用途】雑木/盆栽/シンボルツリー
【値段】1000円~