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エンコウカエデ/えんこうかえで/猿猴楓
Enkou kaede
【エンコウカエデとは】
・岩手県以南の本州、四国及び九州に分布する落葉高木。数多いイタヤカエデの一品種で、大木となるため庭木として使われることは少ないが、関東近郊の山々でも見掛けることができる。
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・画像ではわかりにくいが葉が細く裂ける様子を「猿猴=テナガザル」に見立てて命名された(「猿の手の甲=猿甲」からという説もある。
・葉は縁にギザギザがなく、深く5~7つに裂けるのが普通で、樹齢が低いほどテナガザルのように細くなる。新芽はやや赤みを帯びるが季節の移ろいと共に緑色になり、秋になると画像のように黄葉する。
・春には他のカエデ類同様に黄緑色の花が咲くこともあるが、開花は稀。花が咲けばその後、翼状の実ができる。
・成長がかなり早いことや、材が重くて硬いことから床柱や器具材として使われる。
・イタヤカエデの若い木でも葉が深く裂けることがあり、本種と見分けるのが難しい場合が多い。両者を区別する必要はないとの説もある。
【育て方のポイント】
・基本的には湿り気のある肥沃な土地を好むものの、丈夫な性質を持ち、あまり環境を選ばずに育つ。ただし、綺麗な黄葉を見るためには日向に植える必要がある。
・耐寒性はあるものの、積雪の多い地方では育てるのが難しい。
・成長が早く、カエデの中でも巨木になる部類で、直径1mに達するものも見られる。このため大胆に剪定されることが多いが、夏場に大枝を切ると枯れこみやすい。
【品種】
・ウラゲエンコウカエデ~葉の裏面の主脈に毛が多く、遠目からは白っぽく見える。
エンコウカエデの基本データ
【分類】ムクロジ科/カエデ属
落葉広葉/高木
【学名】Acer pictum Thunb. subsp. dissectum (Wesm.) H.Ohashi f. dissectum (Wesm.) H.Ohashi
【別名】ナナバケイタヤ/アサヒカエデ
【成長】かなり早い
【移植】簡単だが、実生で増やすことが多い
【高さ】3m~20m
【用途】公園/雑木の庭
【値段】1200円~