エノキ(榎)

Chinese Hackberry

榎 樹木 画像
河原の添景に使われるエノキ
木へんに夏 樹木
冬芽は地味で目立たない
榎 新葉 画像
エノキの新芽は食用になる
榎 樹形 画像
新緑の頃の様子
樹木図鑑 エノキ
虫に大人気で、まともに形をとどめる葉は珍しい
榎 実 写真
エノキの実は8月頃から色付き始める
榎の実 画像 樹木図鑑
葉の裏側と熟した実の様子
榎 紅葉 黄葉 画像
黄葉期の葉の様子
榎 紅葉 画像
黄葉の頃の様子
榎 巨木
エノキの樹皮

【エノキとは】

・本州から九州までの広い範囲に自生する落葉樹。大きな緑陰を作るため、ケヤキムクノキなどとともに各地の一里塚や神社仏閣に植栽され、その巨木が今日でも見られる。根張り(地際の幹)の美しさは日本の樹木でもナンバーワン。

 

・エノキという名の由来には諸説ありるが、①信長、家康、秀忠、家光のうちの誰かが、(マツ以外の)「余の木(ヨノキ)」を一里塚に植えるよう命じ、これに応じる形で植えられたのがこの木であったためヨノキが転じてエノキとなった、②縁起の良い木を意味する「嘉樹(ヨノキ)」が転じてエノキとなった、③秋にできる朱色の実は小鳥や森の生き物に人気が高く、「餌の木」からエノキとなった、などの説がある。

 

・上述のとおりエノキの葉は生き物に人気が高く、黄葉期まで形をとどめていることは珍しい。特にオオムラサキやヤマトタマムシ、ゴマダラチョウ、テングチョウには欠かせないエサであるが、食糧難の時代にはエノキの若菜を米と一緒に炊き込んで「糧飯(カテメシ)」として人間が食べることもあった。また、エノキの実の皮は甘味があり、昔の子供はコレをおやつにした。

 

・現代人にとっては葉や実よりも、株元や枯れ枝にできるエノキダケの方が人気が高い。なお、エノキダケは榎に限らずコナラカキなど多様な落葉樹の腐食部に寄生する。

 

・エノキは「縁」に通じることから「縁結びの木」あるいは「縁切りの木(縁切りエノキ)」として使う俗信があった。縁を結ぶにはエノキに願をかけ、縁を切る場合は、人知れずそっとエノキの葉を食べるとよいらしい。

 

・材は頑丈なためカマツカと同じように農具(カマなど)の「柄」を作るのに使われたことから「柄の木」=エノキと命名されたという説もある。「縁の木」と呼んで有難がり、御神木とする場合もある。

 

・春になると芽吹きと共に緑色の小さな花を咲かせるが、あまり目立たない。

 

【育て方のポイント】

・日当たりが良ければ土質は選ばない。乾燥地でも湿地でも育つが、基本的には湿気を好み、かなりの湿度でも育つ。このため、水際の添景や海辺の防風にも使われる。 

 

・芽を出す力が強く、剪定に耐えるが、大木であり、自然樹形を楽しむには広いスペースが必要。他の木とバランスを取るのが難しく、狭い庭でこじんまりと管理することはできない。

 

【似ている木との見分け方】

・樹形はケヤキに似るが、エノキの葉はケヤキよりも肉厚で緑が濃く、見慣れれば全く異なることが分かる。

ケヤキとエノキ
ケヤキの葉
エノキとケヤキ 違い
エノキの葉

 

・エノキとムクノキの見分け方

 ムクノキは老木になると幹に穴(洞)が開きやすく、奇怪な形の幹になるものが多い。こうした特徴はエノキやケヤキにはほとんど見られないため、見分ける際の手掛かりになる。

 しかし、もっとも簡単な見分け方は、葉の表面で自分の爪を磨いてみることである。ムクノキの葉はザラザラしており、爪を磨くことができるが、エノキはツルツルしていて爪磨きにはならない。

 また、秋であれば両者の実の違いで区別できる。できはじめのエノキの実は緑、赤、黄色が入り混じってカラフルになるが、ムクノキの実は緑、黒、褐色と一貫して地味。実の直径はムクノキが明らかに大きい。

見分け 区別
エノキ(左)はツルツルだが、ムクノキ(右)はザラザラ

エノキの基本データ

 

【分類】ニレ科/ニレ属

    落葉広葉/高木

【学名】Celtis sinensis

【別名】エノミ/アブラギリ

    エノミノキ/ヨノキ

【成長】早い

【移植】簡単

【高さ】10m~20m

【用途】公園/雑木の庭/並木/盆栽

【値段】500円~3000円