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エドヒガン/えどひがん/江戸彼岸
Edohigan
【エドヒガンとは】
・本州、四国及び九州の山地に自生する天然のサクラの一種。江戸とはいえ、中国や朝鮮半島にも分布する。日本では関東地方に多く、春の彼岸の頃に咲くことからエドヒガンあるいは別名のアズマヒガンと命名された。ウバヒガンという別名は開花期に葉がない様子(葉なし)を、老女(姥)の歯なしにかけたもの。
・サクラの中では最も寿命が長く、樹齢千年を超えると伝わる古木、名木は天然記念物に指定されるものもある。
・ソメイヨシノは本種とオオシマザクラを掛け合わせたもの。また、一般的にいうヒガンザクラは、彼岸の頃に咲く桜の総称だが、その多くは本種を親としている。
・花の直径は3センチ弱で色は薄紅色が多いが、真っ白の花もある。2~5輪ほどがまとまって咲くのがふつう。花の後には6月末にかけてサクランボができるものの、酸味が強く食用にはならない。
・葉は枝から互い違いに生じ、長さは6~12センチほどになる。先端は尖り、縁にはギザギザがある。
・樹皮は年を経るにつれて柿の木のように剥離する。他のサクラにはあまり見られない特徴であり、見分ける際のポイントとなる。材は薪に使われる。
【育て方のポイント】
・日向を好み、日陰では育ちが悪く、花も難しい。
・乾燥を嫌うため、植える場所にはあらかじめ腐葉土を入れ、保湿性を高めるのがよい。
・他のサクラ同様、病害虫の被害が見られるため、定期的な管理が必要。
【エドヒガンの園芸品種】
・シダレザクラ、ベニシダレ、ヤエベニシダレなど
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エドヒガンの基本データ
【分類】バラ科/サクラ属
落葉広葉/高木
【学名】Prunus pendula f. ascendens
【別名】アズマヒガン/ウバヒガン/タチヒガン
【成長】早い
【移植】難しい
【高さ】10m~20m
【用途】公園・寺社
【値段】1000円~