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イヌザンショウ/いぬざんしょう/犬山椒
Fagara
【イヌザンショウとは】
・本州、四国及び九州の川原や林に見られる日本固有の落葉樹。葉や種子が料理に使われるサンショウに比べて香りが悪く、役に立たないという意味合いでイヌザンショウと名付けられた(イヌマキやイヌツゲ、イヌビワなどと同様)。
・役に立たないとはいえ、サンショウと同じように葉と種子は食用となり、香料や咳止めの薬、神仏に備える燈火用や整髪用の油を作るのに使われることもある。
・雌雄異株で8月頃に小さな黄緑色の花を咲かせる。その後、サンショウと同じように直径5ミリほどの朱色の実ができ、10~11月頃に熟すと黒い種子が顔を出す。
・葉はサンショウに似るが、より大きいのが一般的。また、サンショウと同じように枝には棘がある。サンショウの棘は対になって生じるが、イヌザンショウは互い違いに生じるため容易に見分けられる。
【育て方のポイント】
・日本の山地に自生する木であり育てやすい。植栽の適地は東北地方より南となる。
・日当たりがよく水はけの良い場所を好む。半日陰程度なら耐える。
・荒れ地に真っ先に生じるような木であり、土質を選ばず丈夫に育つ。
【イヌザンショウの品種】
・コバノイヌザンショウなど葉の大きさが異なる品種や枝に棘のないトゲナシイヌザンショウなどの変種がある。葉の大きさについては品種というよりも個体差に近く、沿岸から内陸に行くほど葉が大きくなる傾向がある。また、本種とカラスザンショウの雑種である、コカラスザンショウもある。
【サンショウとの見分け方】
・上記のとおりトゲの出方や葉の大きさが異なることに加え、花の時期がまったく異なる。イヌザンショウは夏に開花するがサンショウは春(3~4月)に開花する。
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イヌザンショウの基本データ
【分類】ミカン科 サンショウ属
落葉広葉 高木・小高木
【学名】Zanthoxylum schinifolium
【別名】イヌザンショ
【成長】早い
【移植】ふつう
【高さ】2m~4m
【用途】雑木
【値段】800円~