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アマチャ/あまちゃ/甘茶
Sweet Hydrangea
【アマチャとは】
・日本各地で栽培されるアジサイの仲間。自然界に自生はなく、園芸品種に限られるという説と、稀に自生するという説がある。乾燥させた葉は煎じて飲むと甘味があり、これを釈迦の誕生を祝う灌仏会(花まつり)に使うことで知られる。
・生の葉には甘味がなく、夏から秋の葉を陰干しして発酵させた後、よく揉んで更に乾燥させると、フイロズルチン(フィロズルシン)という物質の作用によって甘味が出る。灌仏会に限らず、甘味料として使うことができるため家庭に植えられてきた。醤油の味付け、糖尿病患者向けの砂糖の代替品として使うことができる。
・ヤマアジサイに似るが、アマチャの葉は赤紫色を帯び、長さ10センチ弱の楕円形でヤマアジサイより小さい。また、アマチャの花(萼片)は淡い紫から紅色に転じるが、ヤマアジサイは個体によってピンク、紫、白、藍色と多様になる。
【育て方のポイント】
・性質はアジサイと同様で直射日光を好まない。日陰~半日陰が植栽に適する。
・やや湿った肥沃な土地を好み、日照りが続くと葉に元気がなくなる。
・病害虫に強い。
・剪定に強いが、アジサイほど大きくならず、枝が細いため管理しやすい。
・株分け、実生でふやすことができる。
【品種】
・オオアマチャ
アマチャよりも枝葉が大きく、花(萼片)は青紫色になる。
・アマギアマチャ
伊豆の天城山を中心に分布するアマチャの一種で、白い花が咲く。葉の幅はアマチャよりも狭く、生でも甘味があるのが大きな特徴。ちなみに天城山(甘木山)という名前はそもそもこの木にちなんで名付けられたという。
【似ている木】
・ヤマアジサイ
アマチャの基本データ
【分類】ユキノシタ科/アジサイ属
落葉広葉/低木
【学名】Hydrangea macrophylla
var. thunbergii
【別名】コアマチャ
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】0.7m~1m
【用途】花木/甘味料/切花/鉢植え
【値段】500円~