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ラカンマキ/らかんまき/羅漢槙
Yew plum pine
【ラカンマキとは】
・イヌマキの変種でイヌマキ同様に、庭木として広く使われる。日本では本州(関東地方南部以西)、四国、九州及び沖縄に広く分布し、台湾や中国にも見られる。原産地は中国とする説があるものの、出所はよく分かっていない。
・イヌマキよりも葉は短くて白味を帯び、個体によっては葉先が黄色っぽくなる。イヌマキとの違いは下記のとおりだが、素人では見分けるのが難しう上、ホソバマキという葉の細いイヌマキの品種もあってややこしい。
・ラカンマキはイヌマキよりも成長が緩やかであり、その分樹形が引き締まって乱れにくいため、価値が高いとされる。樹高もイヌマキより低く、5m以下のものが多い。
・果実はイヌマキと同じだが、実がなるのは稀とされる。しかしながら実の形が、袈裟をまとった僧侶(羅漢)に見えるとして、ラカンマキと名付けられた。イヌマキ同様、赤い部分(花托)はおいしいが、黒い部分(実托)は毒性があって食べられない。
・幹は灰白色で成長に伴って縦に薄く剥がれ落ちる。材は良質で、建材や器具類に使われる。
【ラカンマキの育て方のポイント】
・イヌマキと同様に丈夫な性質を持ち、海岸沿いの防風林にも使われる。苗木を育てるのは日向に限るが、成木であれば日陰でも育つ。
・重い土を好むが、砂でも粘土でも適応力はある。ただし、湿度の高い方が育ちがよい。
・やや寒さに弱く、植栽できるのは東北地方の南部より南。特に冬の乾いた風に弱い。
・放置すれば大型の円錐形に育つ。剪定に相当強く、20~30年以上かけて枝を作り上げたものは主木や門かぶりとして尊ばれる。また、成長が遅いため垣根として使えば管理しやすいものとなる。
・ある程度の見栄えがするようになるには10年以上かかるため、庭木として早期の完成を期待するならイヌマキの方がよい。
・病害虫に強いが、樹勢が衰えるとハマキムシ、カイガラムシ、アブラムシなどの被害に遭うこともある。
【イヌマキとラカンマキの見分け方】
・イヌマキの葉は幅が8ミリ~12ミリでラカンマキ(幅4ミリ~6ミリ)に比べると広い。長さもイヌマキの方が長い。
・ラカンマキの葉は上に向かって伸びることが多い。


ラカンマキの基本データ
【分類】マキ科 マキ属
常緑針葉 小高木
【漢字】羅漢槙(らかんまき)
【別名】マキ
【学名】Podocarpus macrophyllus
(Thunb)Lamb. var. maki Sieb.
【英名】Yew plum pine
【成長】やや遅い
【移植】簡単
【高さ】4m~10m
【用途】シンボルツリー/和風庭園
垣根
【値段】5000円~