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ハリモミ/はりもみ/針樅
Tiger-tail spruce
【ハリモミとは】
・本州(宮城県医王山伊南~紀伊半島)、四国、九州(高隈山まで)に天然分布する高木。富士山中湖の北部にはハリモミだけが広がる純林があり、天然記念物に指定されている。
・名前のとおり鋭く尖った葉を持ち、別名をバラモミという。日本で一番、触ると痛い葉であり、試しに触れた程度で疼痛が生じる。葉は線形で少し湾曲し、断面は四角あるいは菱形になっている。
・モミと名付くがモミノキの仲間ではなく、トウヒの仲間。同属の中では最も温暖な地(低地)に生じる。
・雌雄同株で球果(まつぼっくり)はトウヒ属中、最大となる。黄緑色で10月頃に熟し、長さは9センチほどになる。
・実生で増やすの普通だが、成長が遅いことや葉が鋭く管理しにくいことから生産者が少なく、苗木の入手は難しい。
・樹皮は灰色あるいは褐色を帯びた灰色で、樹齢を重ねると不規則に剥離する。材は建材として使われる。
【育て方のポイント】
・暑さ、寒さ、日陰に強い。
・やや湿気のある土壌を好み、西日の強い場所など乾燥地には適さない。
・葉の鋭さを利用して防犯を兼ねた木に使うことも可能だが、剪定作業は相当に困難であり、個人の庭に植えるのはまったくお勧めできない。樹高も20mに達するので公園向き。
【ハリモミに似ている木】
・ヒメバラモミ(下の画像)のほか、マツハダ(イラモミ)、ヤツガタケトウヒなどがある。
ハリモミの基本データ
【分類】マツ科 トウヒ属
常緑針葉 高木
【学名】Picea polita Carr.
【別名】バラモミ
【成長】やや遅い
【移植】やや難しい
【高さ】20m~30m
【用途】公園
【値段】─