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クロマツ/くろまつ/黒松

Japanese black pine

黒松 代々木公園
堂々たる風格は「男松」にふさわしい
黒松,くろまつ,皇居,東御苑
丹念に手入れされたクロマツ(皇居東御苑)
Japanese pine tree,black
新緑期の様子 ツンツン飛び出す新芽は「ミドリ」と呼ばれる
黒松の花,雌雄,くろまつ
クロマツの雌花(画像中央付近)
黒松の花 時期 特徴
雄花
くろまつ,葉っぱ
クロマツの葉は二本一組で生じ、触れるとチクチクする
マツボックリ,黒松,くろまつ
実(まつぼっくり)の様子~翌年の秋に熟して開く
Japanese black pine tree,picture
樹皮の様子~年を経ると亀甲状に剥離する
Japanese black pine tree
クロマツの並木(皇居東御苑)
クロマツで生垣を,くろまつ
クロマツの垣根
門冠 クロマツ
「門かぶり」と呼ばれる仕立て

【クロマツとは】

・本州、四国及び九州の海辺を中心に自生する常緑高木。生命力が強いため古くから縁起の良い木として和風庭園の主役として使われるほか、砂防、造林などの実用を目的として海岸沿いに植栽されることも多い。

 

・海辺の景勝地にあるマツはこのクロマツであることが多く、名所としては天橋立(京都府宮津市)、三保の松原(静岡県静岡市)、気比の松原(福井県敦賀市)、虹の松原(佐賀県唐津市)などが知られる。なお、三保、気比、虹の松原を「日本三大松原」と呼ぶ。

 

・葉は長さ10~15センチ、幅1~2ミリで2本一組になって生じる。別名の男松は、アカマツ(女松という)に比べて葉が太くて長いことや全体に力強さがあることに由来する。

 

・雌雄同株で4~5月に画像のような花が咲く。雄花は黄色で雌花は紫がかった色をしているので見分けやすいが、雄花の方が圧倒的に多く、雌花は見付けにくい。マツボックリは長さ5~7センチの卵形で、先端が尖る。

 

・樹皮はクロマツという名が示すとおり黒味を帯びている。幹は曲がりやすいが、直径は最大で1.5mほどになる。材の質はアカマツと同程度で建築用材となる。一般に粘り強く、松ヤニの香りが強いが、クロマツのうちでも特に脂分が多く、色合いが美しいものは「肥松」として床柱や上がり框、民芸品などに珍重される。

 

・クロマツの園芸品種には、蛇の目松、枝垂れ松、錦松などがある。

 

【育て方のポイント】

・庭木としての貫禄は抜群だが、年2回の「ミドリ摘み」「もみあげ」といった手入れが不可欠であり、手入れを怠ると値打ちがなくなる。

 

・乾燥、湿気、潮風、砂地、排気ガスなどに強いため温暖な都市部や海辺の地域にはアカマツよりも向いている。ただし、典型的な陽樹(日当たりを好む)であり、日当たりの悪い場所では育てられない。また、水はけの悪い場所も苦手とする。 

 

・近年ではマツクイムシの被害を受ける例が増えている。

 

・繁殖は実生により、安価なミニ盆栽も多数出回っている。 

 

【クロマツの品種】

・葉に白い模様が入る「蛇の目松」、枝や幹が岩のようになる錦松、葉の付け根が「扇形」になるオウギマツ、新しい葉の全体が黄色くなる黄金クロマツなどがある。

黒松,くろまつ,品種
葉に模様が入るジャノメマツ
黒松の変種 品種
幹や枝がゴツゴツするニシキマツ
オウギマツ,くろまつ,種類
葉の付け根が扇形になるオウギマツ

【クロマツとアカマツの違い】

 

・大雑把にいうと海辺に生えているのがクロマツ、山地に生えているのがアカマツである。クロマツは幹が褐色で新芽が白いのに対して、アカマツは幹が赤茶色で新芽が茶色なので見分けが付く。なお、クロマツの葉は触れるとチクチクするが、アカマツは柔らかい。この辺りも女性的とされる。

アカマツとクロマツの違い
クロマツの新芽
くろまつとあかまつの見分け方
アカマツの新芽

クロマツの基本データ

 

【分類】マツ科/マツ属

    常緑針葉/高木

【学名】Pinus thunbergii

【別名】オマツ(雄松)/オトコマツ(男松)/オンマツ

【成長】普通

【移植】簡単

【高さ】15m~40m

【用途】主木(シンボルツリー)、盆栽 

【値段】300円~