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イヌガヤ(犬栢)
Japanese plum yew









【イヌガヤとは】
・岩手県以南から南九州の山地に分布するイヌガヤ科の針葉樹。外見はカヤに似るが、カヤのように実を食べることはできず、「役に立たない」という意味の「イヌ」を冠して「イヌガヤ」と呼ばれる。日本のほか朝鮮半島や中国の暖地にも見られる。
・カヤの葉は光沢があって美しいもののチクチクして扱いづらい。これに対してイヌガヤの葉は光沢が劣るものの柔らかくて扱いやすいため庭木としてはより多く使われる。イヌガヤは葉の裏側に二本の白い線(気孔腺)があるのが特徴。
・雌雄異株で3~4月に開花する。雄花は黄色、雌花は緑色。
・果実は球状で翌年の秋にかけて赤褐色に熟していく。種のまわりは柔らかでカヤと同様に油を採取することができる。この油はカヤと異なって食用にならないが、冬季に凍らず、他の植物油に類がないほど明るい光を灯すため、「渡来人」の時代から灯油として使っていた。
・イヌガヤの材は薪や小細工物に使う。
【育て方のポイント】
・病害虫に強く、きわめて丈夫な性質を持つ上、成長が遅く、日陰にも強い。
・剪定に耐えるため、樹形を整えれば庭木として利用できる。
【イヌガヤの品種】
イヌガヤの変種で、日本海沿岸を始めとした寒冷地に分布する。高さ2m程度にしかならず、地を這うように枝葉を伸ばすため、積雪地帯の垣根として使われる。果実は果実酒に利用
こちらもイヌガヤの変種だが、垣根や切花に使われる庭木としてイヌガヤよりも流通量が多い。葉はらせん状に生じ、枝葉は箒のように広がるが、刈り込みに強く、形を整えやすい。チョウセンガヤあるいはシホウガヤともいう。
【カヤとイヌガヤの違い】
・外見上は似ているカヤは「イチイ科カヤ属」、イヌガヤは「イヌガヤ科イヌガヤ属」であり、分類上は異なる。カヤの葉はチクチクして剪定しにくいが、イヌガヤは柔らかで扱いやすい。また、葉っぱもイヌガヤの方がより大きいため慣れれば容易に区別できる。

・イヌガヤ
ファスティギアータ
大きくなりにくい、いわゆる矮性種。ガーデニングに使う素材としては原種よりも一般的で、コニファーガーデン等に用いられる。
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イヌガヤの基本データ
【分類】イヌガヤ科 イヌガヤ属
常緑針葉 小高木
【学名】Cephalotaxus hamingtonia
【別名】ヘボガヤ/ヘダマ
【成長】遅い
【移植】簡単
【高さ】3~10m
【用途】単独、主木
【値段】3000円程度