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キシュウミカン(紀州蜜柑)

Japanese Kisyu Orange

紀州蜜柑,コミカン
ウンシュウミカンよりも小粒であり、小ミカンともいう
ツボミ,つぼみ
蕾の様子
きしゅうみかん,開花時期
開花は5~6月
紀州ミカン,開花
直径は2センチほどで、5枚の花弁がある
未熟なミカン
できはじめの果実の様子
Japanese Kisyu Orange
実が熟すのは12月頃
きしゅうみかん,画像
酸味が少なく果肉も柔らかいが、種がある
Japanese Kisyu Orange
葉の様子
Japanese Kisyu Orange
枝にはトゲがある
蜜柑の木の幹
樹皮の様子

【キシュウミカンとは】

・日本で最も古くから育てられているミカン科の常緑樹。日本に自生していたとする説もあるが、中国の浙江省及び長江一帯に産するミカンを起源とする説が有力。鎌倉時代に熊本県の八代付近へ移入され、さらにその木の苗を和歌山県有田の伊藤孫右衛門が持ち帰って改良したものとされる。

 

・普段我々が口にするウンシュウミカンに比べると小粒かつ種が多いため、現代では正月飾りに使うダイダイのような存在だが、江戸~明治時代中頃まではキシュウミカンが食用ミカンの代表種であった。

 

・紀州産のウンシュウミカンがキシュウミカンと名乗って流通しているため混乱するが、紀伊国屋文左衛門らが嵐の中、蜜柑船で江戸へ運んで財を成したというのはこちらのキシュウミカン。近年、農研機構が研究の結果、本種をウンシュウミカンの片親と推定している。

 

・12月に熟す果実は重さ30グラム、直径5センチ程度で、ウンシュウミカンの半分ほどにしかならない。果皮は薄くて剥きやすく、香りが高い。乾燥させた皮は「陳皮(ちんぴ)」と呼び、七味唐辛子の材料になる。

 

・古い時代には、種のない果物を食べると家系が途絶えるとして嫌われたが、キシュウミカンには房ごとに種があるため、種のあるウンシュウミカンよりも受け入れられた。

 

・葉はウンシュウミカンよりも小さく、長い卵形になる。枝葉は密生し、よく繁茂する。丈夫な性質を持ち、成長は遅いながらも樹齢が長く、樹齢600~800年の古木もある。 

 

【育て方のポイント】

・開花や結実には日照が不可欠であり、日陰ではうまく育たない。

 

・ミカンとしては低温地で栽培されるが、栽培の北限は神奈川や千葉あたりになる。

 

・順応性は高く、土質を選ばずに育つが、植穴に鶏糞や腐葉土などの有機肥料を施すとさらによい。

 

・自家受粉するため複数植える、他の品種を植える等の必要はない。

 

【キシュウミカンの品種】

・ムカクキシュウ

 「無核紀州」であり、種がない。

 

・ヒラキシュウ(平紀州)

 果実が大きく扁平している。

キシュウミカンの基本データ

 

【分類】ミカン科/ミカン属

     常緑広葉/低木 

【学名】Citrus kinokuni

【別名】コミカン/サクラジマコミカン

    キノクニミカン/ホンミカン

【成長】遅い

【移植】普通

【高さ】2m~5m

【用途】果樹

【値段】1,200円~