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カラタチバナ/からたちばな/唐橘

Spear flower 

百両,庭木
別名「百両」で知られるカラタチバナは和の庭の脇役に
百両,植木,特徴,からたちばな
葉は長さ10センチ以上になる
百両の木,葉っぱ,からたちばな
裏面の様子
百両,植物
カラタチバナの蕾
百両,花,時期,からたちばな
7月ころにこんな感じの小さな花を咲かせる
からたちばな,ヒャクリョウ,花,赤い実
鉢植では花と実を同時に鑑賞できることも
百両の木,からたちばな
未熟な実の様子(白実種)
カラタチバナ,赤い実
実はピカピカと美しい
カラタチバナ,からたちばな,植木
本来は薄暗い場所を好む
百両の木,特徴,からたちばな
樹高は最大で1mほどに
ひゃくりょう,植木
樹皮の様子

【カラタチバナとは】

・関東以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するヤブコウジの仲間。秋から冬にかけて艶やかな赤い実がなるため、マンリョウ、センリョウ、ヤブコウジなどと共に冬の庭を彩る植物として、和風庭園の下草として使われることも多い。

 

・カラタチバナという名前は、花がミカン科のタチバナに似ること、庭木として使われるようになった当初は、中国(唐)から渡来したものと誤解されていたことによる。庭師の間では単に「タチバナ」と呼ばれることもあるが、別名のヒャクリョウ(百両)がより知られる。

 

・ヒャクリョウという名は、マンリョウやセンリョウよりも実の数が少ないことに由来し、果実はそれらに比べるとまばらになるが、本種よりも実が少ないイチリョウ(アリドオシ)やジュウリョウ(ヤブコウジ)、あるいはマンリョウよりも縁起が良いとされるオクリョウ(ミヤマシキミ)もある。

 

・カラタチバナの開花は7~8月。葉の脇から斜上する花序に、10輪ほどがまとまって咲く。花は直径7~8ミリの合弁花で、花先は深く五つに裂けて反り返り、5本の雄しべと1本の雌しべがある。

 

・果実は直径7mmほどの球形で11月頃に熟す。鳥が食べなければ翌年の4月頃まで枝に残ることから、代々橘(ダイダイタチバナ)といった別名もある。

 

・実の色、葉の形や模様に個体差が大きく、園芸品種も多い。品種改良が盛んだったのは江戸時代で、現存しない品種もある。

 

【カラタチバナの育て方のポイント】

・自然環境では常緑樹林の薄暗い場所に自生しており、庭園においても高木の下など直射日光があたらない場所が良い。

 

・マンリョウなどに比べると、やや耐寒性は低いが、関東以西であれば問題なく地植えできる。

 

・樹形は単純で枝分かれせず、マンリョウと同じように主幹が直立する。あくまでも実を楽しむ庭木とする。

 

・連作障害が起きやすく、マンリョウ、ヤブコウジを含めて同類の植物が育った跡地では生育が悪い。

 

【カラタチバナの園芸品種】

・シロミタチバナ

 果実が白色の品種

 

・キミタチバナ

 果実が黄色い品種。なお、赤い実がなる品種は赤橘、黄色い実がなるものは金橘と呼んで区別することもある。

カラタチバナ,ヒャクリョウ
白と黄色の区別は難しい・・・

カラタチバナの基本データ

 

【分類】サクラソウ科/ヤブコウジ属

     常緑広葉/低木

【漢字】唐橘(からたちばな)

【別名】ヒャクリョウ/コウジ

    タチバナ/ダイダイタチバナ 

【学名】Ardisia crispa 

【英名】Spear flower

【成長】遅い

【移植】やや難しい

【高さ】0.2m~1m

【用途】庭木/鉢植え

【値段】1000円~

 

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